推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

雑誌の話

一時期全然買ってなかった雑誌を最近また買う様になりました。

「Pen」とか常にイカしてる雑誌は別として、今イカす雑誌だなと思ってるのが、「GINZA」と「POPYE」と「Elle a table」。

GINZA (ギンザ) 2012年 10月号 [雑誌]
GINZA (ギンザ) 2012年 10月号 [雑誌]
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POPEYE (ポパイ) 2012年 10月号 [雑誌]
POPEYE (ポパイ) 2012年 10月号 [雑誌]
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Elle a table (エル・ア・ターブル) 2011年 09月号 [雑誌]
Elle a table (エル・ア・ターブル) 2011年 09月号 [雑誌]
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装丁がステキ! なだけじゃなく、内容もギッシリなのが嬉しい。

そして、最近は「食べようび」も良いなと思っています。

食べようび 2012年11月号〔雑誌〕
食べようび 2012年11月号〔雑誌〕
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↑松坂桃李目当てで買いましたが、今度からもチェックします。


ところで、仕事柄年代じゃないファッション誌も読みますが、宝島社の「InRed」と「GLOW」は記事が充実してて読み応えがあるのに「Sweet」だけ極端に中身が薄いのはなんなんすかね。

今日のつぶやき

読みました。

今日のつぶやき (宝島社文庫)
今日のつぶやき (宝島社文庫)
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リリー・フランキーと彼が中心となったウェブサイト「ロックンロール・ニュース」が贈る人気読者投稿コーナー「今日のつぶやき」が、ついに文庫化。毎日、一般人から投稿される脱力つぶやきを並べた本です。「脱童貞。即性病」「彼氏から『オマエ彼氏いないの?』って言われた」「初めてのグリーン車。なのに隣がヤクザ」「家の中で気配を感じて振り返ると、サボテンが置いてあった」などなど満載。みうらじゅんら「著名人のつぶやき」も。
かなりひどいつぶやきばかりですが、どれも哀愁が感じられて面白いです。

リリーさんの本を読むと、高校時代に親友に「面白いと思って買ったけど、シモネタが気持ち悪いからあげる」っていって「誰も知らない名言集」をもらったことをいつも思い出します。

増量・誰も知らない名言集イラスト入り (幻冬舎文庫)
増量・誰も知らない名言集イラスト入り (幻冬舎文庫)
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トラウマ映画館 (町山 智浩)

読んだ。

トラウマ映画館 (町山 智浩)
トラウマ映画館
トラウマ映画館
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町山智浩さんが主に10代の頃、テレビなどで出会った、衝撃の映画たち。
呪われた映画、闇に葬られた映画、一線を超えてしまった映画、心に爪あとを残す映画、25本!
貴方の記憶の奥に沈む、忘れたいのに忘れられない映画も、きっとここに!

まず町山さんのデータベースの豊富さがすごすぎる。
生きて来た年代が違うとはいえ、私が何年後かにここまでの映画は知れてないと思う。

この本に載っている映画の中で、観たことあるの『尼僧ヨアンナ』だけでした。
(『尼僧ヨアンナ』はオーケンのエッセイか何かに出てきて、知ったのでした)

全ての映画に関する文章を興味深く読みましたが、特にこれは観たいと思ったのが、

「消えた旅行者」は存在したのか?――『バニー・レークは行方不明』
世界の終わりと檻の中の母親――『不意打ち』
少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス――『悪い種子』
残酷な夏、生贄のかもめ――『去年の夏』
真相「ねじの回転」、恐るべき子どもたち――『妖精たちの森』

の5本で、特に『去年の夏』はぜひ観てみたいものです。

一言に≪トラウマ≫といっても、虐殺、暴力、グロから、カニバリズム、性表現、昆虫系、宗教系と、人によって“キツイ”ポイントってそれぞれですよね。

私はグロいのはもちろんウワっ…て思いますけど、それよりも「内集団バイアス」であったり、人間による静かな洗脳とかそういったのがすごく恐いので、『去年の夏』にはゾっとくるものがありました。

映画『去年の夏』あらすじ。

夏休みを島の別荘ですごしているサンディという少女が、二人の高校生と知り合った。彼女は挑発的な態度をもって二人を操っていたが、やがて三人組の仲間として新たな少女が加わる。嫉妬したサンディは、少女を傷つけようと画策する……。若者の行状を描いた作品。エヴァン・ハンター(エド・マクベイン)原作。

これだけ読むと、夏の切ない青春ストーリー!って感じなのですが、雰囲気はずっしりしていそう。でもソフト化されてるかどうかもちょっと怪しい感じなんだよなあ。

とにもかくにも、この本、オススメです。

ちなみに、私のトラウマ映画は、織田裕二主演「卒業旅行 ニホンから来ました」(1993年)。嗚呼。

きみの鳥はうたえる(佐藤泰志)

読んだ。

きみの鳥はうたえる (河出文庫)
きみの鳥はうたえる (河出文庫)
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郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。

去年の東京国際映画祭で上映された、映画 「海炭市叙景」 の作者・佐藤泰志。結局映画「海炭市叙景」は見逃してるんですけど(「マイバックページ」といい見逃しが多い)、それからずっと佐藤泰志の存在が気になってて、何冊がゲットして1冊ずつ読んでます。最初がコレ。

村上春樹と同世代で小説を書き、実力を認められていながら、いまいちスポットライトが当たらないまま、自ら人生に幕を閉じてしまったなんて。なんて、なんて、不謹慎だけどその生涯がまず気になってしまった。そしてこのデビュー作の設定、「郊外の書店で働く僕といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり」。嗚呼…、素敵だ。

読んでみると、確かに、村上作品との似ている雰囲気を感じ取る事が出来た。実際に、佐藤泰志と村上春樹は共に1949年生まれ、共に71年に学生結婚(佐藤泰志に関しては籍が入っていたかは不明)、国分寺に関わりアリ、ジャズ好き、そして小説の主人公は名前が決まっておらず「僕」である事が多い(そして酒ばかり飲んでいる)。などなど、単純に共通点はたくさんあるのです。

だからといって、「村上ファンは必ず読むべし!」などとは全く思っていないし、ましてや2人の作品がソックリだというわけでは無い。だけど、この同時期に才能のある2人が生きていたと、考えただけですごくワクワクしてしまうのです。

佐藤泰志は41歳で自らの命を絶ち、村上春樹は成功している作家の1人ですが、なんというか社会と迎合していない感じに共通点を私は感じたのです。上手に生きていくよりも、ポッケの中の小銭を数えて少しでも多くのビールを飲む事や、暑い夏の田舎道を映画のパンフまるめて歩いたり、女の子をデートに誘う事が大事だったり。って、つらつらと気持ち悪い文章書いちゃいましたけど、「きみの鳥はうたえる」、傑作青春小説です。オススメです。

不道徳教育講座(三島由紀夫)

読んだ。

不道徳教育講座 (角川文庫)
不道徳教育講座 (角川文庫)
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大いにウソをつくべし】【弱い者をいじめるべし】【痴漢を歓迎すべし】…世の良識家たちの度胆を抜く不道徳のススメ。西鶴の『本朝二十不孝』にならい、著者一流のウィットと逆説的レトリックで展開。

「三島由紀夫のレター教室」に次ぐ、三島のおもしろサイド。「レター教室」も最高ですが、こちらも笑えました。
しょっぱなから「女から金を搾取すべし」、「女には暴力を用いるべし」などセンセーショナルなタイトルだらけで、クスクスしながら読めた。箸休め本にピッタリ。

特に、この「不道徳教育講座」連載時に読者からもらった手紙をネタに、自虐満載に書き上げたパート(タイトル失念)が、素晴らしかった。

この本の中に、「できるだけ自惚れよ」という言葉があったけれど、人によって差はあるにせよ少しは自惚れないと出来ない作家という職業の中で、三島はここまで自分を客観的に見ているんだなーと思って、そこが一番面白かったです。

さらば雑司が谷

読んだ。

「さらば雑司が谷」
さらば雑司ヶ谷
さらば雑司ヶ谷
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俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の辺境、雑司ヶ谷。この町に別れを告げる前に“大掃除”をしておく。霊園から、あの世へ送り出してやる。復讐と再生、中国マフィア、新興宗教…ひねりと笑いに満ちたH&V小説。

「いつも決まった作家ばかり読んでしまいます」と読書家の方に言ったら、薦めてもらった本。そして会社のお姉様に偶然頂きました。ありがとうございます!

好みは分かれる小説だと思いますが、私は好きです。
巻末のrespect for...の所にもあったけど「池袋ウエストゲートパーク」的なエンタメに寄った愉快な小説でした。

実在する特定の地域を舞台にした小説は、基本的にはその地域出身者や在住の人が一番楽しめると思うのだけど(「鴨川ホルモー」とか)、この場合は雑司が谷を知らない方がより想像がふくらんで面白く読めるのではないかと思います。

私は、雑司が谷のなんとなくの場所は分かりますが、訪れた事が無くて、この小説で描かれている雑司が谷を実在する駅ながらどこかファンタジックに感じる事が出来ました。舞台が中国に切り替わるシーンが多いからかもしれませんが、現代の日本よりぐっとアジアっぽい雰囲気に惹きこまれました。

話の内容は、雑司ヶ谷で起こるギャングやら宗教団体やらの抗争に主人公が巻き込まれるというものなのだけど、完全なる“中二設定”と“トンデモエロ描写”に振り切っていて、逆に清清しかったです。グロシーンもあるけれど、サラっと流せるレベルというか、全てにおいて共感が出来ない小説なので想像して苦しんだりすることがないので大丈夫。

自分の気に入った小説が映像化して、喜ぶ人はあまりいないと思うのですが、私はこの本めちゃくちゃ映像化向きだと思います(もちろん監督のセンスは必要、超大事)。お話全体がポップでたまらないB級感にあふれているので、ぜひ映像になったものを観てみたいなぁ。引き続き、「雑司ヶ谷R.I.P. 」にもトライしてみようと思います。あ、阿部和重とか好きな人は好きかもしれないっすね。

あの空の下で(吉田修一)

読んだ。

あの空の下で (集英社文庫)
あの空の下で (集英社文庫)
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初めて乗った飛行機で、少年は兄の無事を一心に祈っていた。空は神様に近い分、願い事が叶う気がして―。機上で、田舎の駅で、恋人が住んでいた町で。ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編と、東南アジアから北欧まで、6つの町で出会いをつづったエッセイの詰め合わせ。ANAグループ機内誌『翼の王国』人気連載をまとめた、懐かしくいとおしい、旅情を誘う作品集。

先日感想を書いた、吉田修一の「さよなら渓谷」とは全く違うさわやかな短編集。ANAグループ機内誌「翼の王国」人気連載をまとめた本です。

この、「翼の王国」いつも特集や記事が面白くてANAの飛行機に搭乗した際は、はじからはじまでくまなく読んでしまいます。連載のセンスも素晴らしい。こういう企業が作っている雑誌類は制作にすごくお金と時間をかけているみたいですね。「翼の王国」の事を話したら、そう教えてくださった方がいました。

色々な人のお弁当を撮影し、簡単なインタビューと共に載せた「おべんとうの時間」も「翼の王国」連載。現在、NHK総合で毎週土曜11:30から、働く人のランチを紹介する「サラメシ」という番組がやっていますが(母のオススメ番組。教えてもらいました)、それと近くて、お弁当ってそれぞれストーリーがあるんですよね。「おべんとうの時間」、「サラメシ」共にオススメです。

で、話は戻って吉田修一の「あの空の下で」。
吉田さんらしい、優しくてちょっぴり余韻が残る素敵な作品達だらけでした。
吉田さんの作品って(特に「パークライフ」)、読む人によっては物足りないって感じる事があるかと思うのだけど、私はその、「ちょっとだけ物足りない?」という所が彼の作品の魅力だと思ってるんですよね。全て語り過ぎない技量といいましょうか。

amazonのレビューに書いている方がいますが、1話1話が短いので、通勤中に読むのにピッタリ。「ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編」というキャッチフレーズは本当に言いえて妙で、飛行機や旅先という非日常な空間で登場人物達に訪れるちょっとした変化が面白くてリアリティがあった。全然押し付けがましくないのに静かに感動したり、何かを考えるきっかけをくれる本。

エッセイも、もちろん素晴らしい。あ、あと短編の1つのタイトルが私の大好きな映画のタイトルだったのが、素敵なサプライズ。

さよなら渓谷(吉田修一)

読んだ。

さよなら渓谷 (新潮文庫)
さよなら渓谷 (新潮文庫)
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きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは――。『悪人』を超える純度で、人の心に潜む「業」に迫った長編小説。

吉田修一、奥田英朗、角田光代(今をときめく3人!)が書く、現代ミステリって本当すごく恐くて、奥田さんだったら「邪魔」、角田さんだったら「森に眠る魚」が特に好きなのですが、この「さよなら渓谷」もあらすじを見てすぐに飛びついてしまいました。

結論からいうと、先に挙げた2つの本や、吉田さんで言うと「パレード」ほどは面白くなかったかも。ラストの展開が読めるのがちょっと早かったかな。なので、ストーリーの結末というか、あらすじで言う所の“残酷すぎる真実”に期待しすぎると、ガッカリしてしまうかもしれません。

ただ、主人公の若夫婦の隣人であり、物語の発端となる事件を起こす女の描写がすごく良かった。自分の子供が死んでしまって、最初は「悲劇の母親」と世間に思われていたのに、疑わしい部分が次々出てきて徐々に「容疑者」として見られていくのですが、私が普段テレビのニュースを見ていて感じる事がとても良く表現されていたと思う。

マスコミに叩かれ、毎日毎日家の前には報道陣がつめかけ、近隣住民にも「自分の子を殺したアバズレ」として好奇の目で見られている。そんな、考えるだけでうんざりする様な状況にあって、女の服装や化粧がどんどん派手になり、美しさが増していき、マスコミに敵意を現しながらも「どこか嬉しそう」であるということ。

よく、テレビのニュース(特にワイドショー)で、殺人事件発生後にインタビューした近所の人(もしくは被害者の家族とか)が実は犯人で、いけしゃあしゃあと事件について話しているVTRが逮捕後に流れる事がありますが、私はそれを食い入る様に見てしまうことがあります。文字にすると、稚拙に感じてしまうけど、悪のオーラみたいなものが体からにじみ出ていて、それに思わず引き付けられてしまうのだと思う。(もちろんそれは全く素敵な事では無い)

そういう点で、バッシングとはいえマスコミに注目され、カメラを向けられ、注目を集めている事で活き活きとしてしまっている女の哀しさが、私がこの小説で一番恐いと感じた所です。

ワーホリ任侠伝

読んだ。

「ワーホリ任侠伝 」
ワーホリ任侠伝 (講談社文庫)
ワーホリ任侠伝 (講談社文庫)
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週末は六本木でクラブ活動にいそしむ商社OLのヒナコ。念願のワーキングホリデー資金捻出のために始めたキャバ嬢バイトが、彼女の波瀾万丈の始まりだった。運命の出会いと絶望。そしてヤクザに追われて海外脱出…。純情&エロティックに全力疾走する、パワフル青春小説。「小説現代長編新人賞」受賞作。

気に入るとその作家ばかり読んでいるので、たまには違う作家を…。と思い、軽く読めそうなこれを買ってみた。予想通りサクっと読める。設定の勝利で、中身が特に濃厚なわけでは無く、映像向けというか、小説としては全然ライトすぎるとは思うのだけど、「この人にしか書けない」文章を感じる事は出来た。

例えば、ハードな長編を読み終わって、次の本になかなか行く気分になれない時に、挟むとちょうど良い様な本。箸休めって大事。

ところで、この文庫版の表紙はてっきりタカノ綾だと思っていたんだけど、違うみたいです。よく見るとやっぱ違うか。

隣の女(向田邦子)

読んだ。

「隣の女」
隣りの女 (文春文庫)
隣りの女 (文春文庫)
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「一生に一度でいい、恋っての、してみたかったの」―平凡な主婦が飛び込んだNYへの恋の道行を描いた表題作、嫁き遅れた女の心の揺れを浮かび上がらせた「幸福」「胡桃の部屋」、異母兄弟の交流を綴った「下駄」、絶筆となった「春が来た」の五篇を収録。温かい眼差しで人間の哀歓を紡いだ短篇集。

少し前に読んだ本だけれど、その時の感覚をまだ全然覚えてる。色っぽい小説。
それぞれ短い一話の中に、ドラマがぎゅっと凝縮されていて、展開がすごかった。
特に好きな話は表題「隣の女」と、「春が来た」。

「春が来た」は向田邦子最後の作品の様ですが、女の人の見栄と、弱いところと、強いところがほんの10数ページで表現出来るってすごすぎます。

昔の女性って格好良いなーと思う反面、現在の女性にもそういう一面が残っていたりするものなのか、
そもそも向田邦子が女性の芯の部分を見抜くのが得意なのか。

どの話も切ないのだけど、それは泣ける切なさではなくて、はっとする切なさだった。
読み終わった後にしっかり姿勢を正したくなる、素晴らしい小説。最高。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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