今日で閉館する映画館、シアターN渋谷で観てきました。
(観たのは今日じゃないけど)

ヘッドハント
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閉鎖されたオフィスに連行され、自由を奪われた6人の男女が体験する恐怖を描いたシチュエーションスリラー。連続殺人犯として投獄されていたトーマス・レッドマンが脱獄し、「レッド社」を設立。社長となったレッドマンは、会社のオフィスに6人の男女を閉じ込める。6人は、レッドマンに罪を着せた真犯人を見つけ出し、レッドマン自身の無実を証明するよう“業務”を言い渡される。5回ミスをすると“クビ(=死)”が待ちうける過酷な状況のなか、自由を奪われた6人は捜査を開始する。

ひとことで言うと「非常にシアターNっぽい作品!」という感じでした。シアターNは個人的に好みの映画ばかり上映してくれる大好きな映画館。ホラー、B級スリラー、グロテスクな作品が多く、水曜日は誰でも1,000円なので、レディースデイとあわせると週に2回も映画を1,000円で観られるという、お財布に優しくて心臓には優しくない、とても素敵な場所でした。悲しいけれど、今日で閉館です。今までありがとうございました!

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で、「ヘッドハント」。つまらくなくはないのですが、飛び切り面白いわけではなく、でもキラリと光る部分が多かったりで、もどかしい気持ちになる作品でした。

気絶して気が付いたら手を鎖につながれていて、知的狂犬に翻弄されるというスリラー。こうなると「SAW」を連想するのが自然な流れ。もちろん、ジグソーと違って身元がはっきりしていることや、人体損壊について装置があったりするわけではない部分など、異なるところもたくさんありますが、作品の雰囲気としては近いかな。

その「SAW」(1以外、特に3以降の展開があれだけグダグダだったにも関わらず)と比べると、拉致された男女6人のお互いの関係性がドライすぎるというか、人間の醜い部分みたいのが少なくてサラっとしすぎていた様に思う。身体の身動きがとれなくて、監禁されている場所も分からない、といったかなりの恐怖な状況において、1人の“大きなミス”が発覚した時、もっとその人を責めたり「俺はあいつとは違う、俺だけでも助けてくれ!」と命乞いをしたり、もっともっと取り乱すもんなんじゃないだろうか。「ヘッドハント」は全体的にすべてがドライだったので、もうちょっと人間の描写が深かったらよかったかな。

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そうしたら手にナイフをつけているレッドのキャラクターがさらに引き立って、恐ろしいものになっていたと思う。首切断とか、目つぶしとか、ゴアシーンのショッキングさはなかなかだったので。

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冒頭と最後の、“ポップさ”もなんとなく気分を萎えさせる演出で、逃げては捕まるっていうベタなホラー展開はやっぱりハラハラするもんだから、そこはきっちりやって欲しかったです。

でもなんだかんだいって、制作はオーストラリアとのことで、アメリカとか北欧とかと異なる雰囲気は嫌いじゃなかったです。好みか好みじゃないかでいったら好みです。こうした、製作費もかかってなくて、有名な人も出てないんだけど、どこか光る部分を感じる作品って観れる機会自体が貴重なので、シアターNイズムが少しでもどこかに継承されればいいなーって思います。