観た。

「恋に至る病」
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処女童貞喪失の通過儀礼がテーマの中編作品「普通の恋」(2008)で、ぴあフィルムフェスティバル2009の審査員特別賞を受賞した木村承子監督が、同映画祭のスカラシップを獲得して製作した長編デビュー作。恋とセックスにまつわる根源的な疑問を、独特のユーモラスな感性で描き出す。高校で生物の教師をしているマドカは、他人との接触を避け、授業中でも生徒の顔をまともに見られずにいる。そんなマドカのことが大好きな女子高生ツブラは、マドカの姿をイラストにしてノートに書き留めている一方、「死んだあとで誰からも忘れられてしまうこと」を恐れ、「腐らない体」を手に入れるために防腐剤入りの食べ物しか口にしない日々を過ごしている。そんなある日、ツブラはマドカと性器を交換することを妄想するが、ひょんなことからそれが現実となってしまい……。

石井裕也監督の「川の底からこんにちは」も受賞作である、ぴあフィルムフェスティバルのスカラシップ作品。

映画っていうのはマーケティングとかターゲット層とか、流行とかをくみとって大人たちがしっかりデータを集めてそれをもとに作ると思うんですが、こういった「本気で撮りたいものを撮る!」ってパワーで出来上がった映画を観るのは楽しいです。どっちが良い悪いじゃなくて、どっちが好き嫌いじゃなくて。

で、「恋に至る病」は好みの映画ではなかったんですが、ものすごいパワーを感じる作品であり、何より俳優さんたちが全員とてもよかったです。登場人物の名前がツブラ、マドカ、エン、マルって全て「円」なんですよね。こういった名前のこだわりとか、やっぱり熱を感じますよね。

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物語は、影の薄い気弱な生物の先生に恋しまくってる女子高生が、トンデモ妄想をしていてその妄想が本当になってしまうっていうものなんですが、確かにこのトンデモ妄想はお互いの性器が入れ替わるというものであり、トンデモないです。

でも、そんなトンデモ設定以外は割と静かに展開していきます。思春期の恋とか自意識とか。結構切ないです。ツブラとマドカのパートはもちろん、エンとマドカの関わりとかも良かった。佐津川さんと染谷さんはさすがな感じでした。
好きなシーンは、団地のシーンとおにぎりのシーン。あとブログの一番最初の画像の表情かな。この表情とタイミングはすごいです。ドキっとしない人はいないんじゃないか。

無事DVD化するのかがちょっと気がかりな作品ではありますが、ぜひ木村承子監督の次回作も観たいです。あ、音楽はアーバンギャルドなんですけど、病的なくらいポップというねこれ以上ないピッタリなかんじ。