「ヘルタースケルター」
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第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子の同名コミックを、写真家・蜷川実花の監督第2作として実写映画化。主演は「クローズド・ノート」(2007)以来5年ぶりの銀幕復帰となる沢尻エリカ。究極の美貌とスタイルを武器に芸能界でトップスターとなったモデルのりりこだったが、その美貌はすべて全身整形で手に入れた作り物だった。そんな誰にも言えない秘密を抱えながらも、人々の羨望の的となり欲望渦巻く世界をひた走るりりこは、やがてある事件を巻き起こし……。(eiga.comより)

原作がね、大好きなんですよ。というか、岡崎京子さんが大好きなんです。例えば「あなたのお部屋訪問!」みたいにどこかで紹介されることがあった場合、最も隠しておきたい本が岡崎京子作品であり、逆に「マンガ5冊以外全部捨ててください」って言われた場合、最後まで残しておきたいの本も岡崎京子作品なんですよ。

それは「わたし岡崎京子とか読んでるんですよー、サブカルでしょー」っていうミサワ的心情(そもそもどメジャーだ)とも、「私かなりマニアックなんです!」っていうlike矢口さんとも、「初カキコ…ども…俺みたいなアラサーで岡崎京子読んでるこじらせ女、他に、いますかっていねーか、はは」っていうのとも違って、なんていうか、本当に好きだからなんか照れちゃうんですよね、うまくいえない。

だから、映画化決まった時はギョって感じだったし、蜷川さんが監督ってことで「バンタンに通ってる女が好きそうな映画になるんでしょう(・ε・)フーン」って思ってたんですが、生意気言ってすみません、私はこの映画結構楽しめました!

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蜷川監督が「りりこを今演じられるのは沢尻エリカしかいない」と言っていたそうですが、これには納得。それは、この役を演じる上での狂気もそうだし、「本当はピュアなのにわざとワルぶっている」(様に感じる)という、エリカさんとりりこがシンクロしているのであって、絶世の美女でスタイル抜群、というのはちょっと遠かったりするんですけどね。たぶん、映画を観て「ん、思ったよりエロくないぞ」と思った人も多いと思う。

そう、エリカさんって意外とロリ体系。あ、男性にはむしろそっちのがエロいのかもしれないけど。スタイル超抜群!ってわけじゃないから、りりこの絵を思い浮かべてると最初はちょっと違和感あるかも。スタイルでいうと、ピッタリなのはひなのちゃんとかなのかなあ。りりこのスタイルって、道端三姉妹とも違うんだよねー、もっとお人形さん的な。

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「大胆なベッドシーン」「あの女優が脱いだ…!」と騒いでおいてそうでもない“脱ぐ脱ぐ詐欺”が多い昨今、本作はかなり頑張っていると思う。ここまで脱いでると思ってなかったからちょっと驚きました。キャスティングで一番違和感があった寺島しのぶさん(原作だともっと若くてぺーぺーって感じなのだ)も意外と平気だった。桃井かおりさん、原田美枝子さんは完璧。

あと、水原希子ちゃんの吉川こずえもピッタリでした。私は、同じ、こずえって名前なので特に思うのですが、この作品の中で一番まともな人なんだよね。だから、嘔吐シーンは蛇足に感じた。これは、原作でりりこが、「りりこになりたーいやせたーい」って言ってる世の中の女の子達に対して「無理せずしっかり食べてスタイルキープしてるなんて嘘に決まってんだよ、お腹すきすぎて眠れなくて睡眠薬飲んでる人の気持ちがわかってたまるかバカヤロー」的な事を内心感じている部分の、代替シーンの様にも思えますが、それは別にそこで見せなくても良かった様な。

この、こずえのシーン以外でもやっぱりちょっとずつ、雑な部分はあったりして。安っぽいところも。でも、中身ゼロの映画、別名長編PVの「さくらん」に比べたら全然楽しめたなー。

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基本的に原作に忠実に、蜷川さんの原作愛を感じられる作品ですが、個人的には嫌いじゃない作品でした。思い切り下品でドロドロ。でもさ、コミックの方は“下品”では無いんだよね。それは絵だからって部分もあるし、岡崎京子さんの上手に色々引き算して、省いていくところの妙なんだと思う。

色々つっこみどころはあるけどエリカさんのりりこは正解だと思うし、色々不満はあっても蜷川監督でよかったと思う。園子温監督の「ヘルタースケルター」ってのもアレだし(まあ、あれば観たいけど)。`