読んだ。

きみの鳥はうたえる (河出文庫)
きみの鳥はうたえる (河出文庫)
クチコミを見る
郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。

去年の東京国際映画祭で上映された、映画 「海炭市叙景」 の作者・佐藤泰志。結局映画「海炭市叙景」は見逃してるんですけど(「マイバックページ」といい見逃しが多い)、それからずっと佐藤泰志の存在が気になってて、何冊がゲットして1冊ずつ読んでます。最初がコレ。

村上春樹と同世代で小説を書き、実力を認められていながら、いまいちスポットライトが当たらないまま、自ら人生に幕を閉じてしまったなんて。なんて、なんて、不謹慎だけどその生涯がまず気になってしまった。そしてこのデビュー作の設定、「郊外の書店で働く僕といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり」。嗚呼…、素敵だ。

読んでみると、確かに、村上作品との似ている雰囲気を感じ取る事が出来た。実際に、佐藤泰志と村上春樹は共に1949年生まれ、共に71年に学生結婚(佐藤泰志に関しては籍が入っていたかは不明)、国分寺に関わりアリ、ジャズ好き、そして小説の主人公は名前が決まっておらず「僕」である事が多い(そして酒ばかり飲んでいる)。などなど、単純に共通点はたくさんあるのです。

だからといって、「村上ファンは必ず読むべし!」などとは全く思っていないし、ましてや2人の作品がソックリだというわけでは無い。だけど、この同時期に才能のある2人が生きていたと、考えただけですごくワクワクしてしまうのです。

佐藤泰志は41歳で自らの命を絶ち、村上春樹は成功している作家の1人ですが、なんというか社会と迎合していない感じに共通点を私は感じたのです。上手に生きていくよりも、ポッケの中の小銭を数えて少しでも多くのビールを飲む事や、暑い夏の田舎道を映画のパンフまるめて歩いたり、女の子をデートに誘う事が大事だったり。って、つらつらと気持ち悪い文章書いちゃいましたけど、「きみの鳥はうたえる」、傑作青春小説です。オススメです。