読んだ。

あの空の下で (集英社文庫)
あの空の下で (集英社文庫)
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初めて乗った飛行機で、少年は兄の無事を一心に祈っていた。空は神様に近い分、願い事が叶う気がして―。機上で、田舎の駅で、恋人が住んでいた町で。ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編と、東南アジアから北欧まで、6つの町で出会いをつづったエッセイの詰め合わせ。ANAグループ機内誌『翼の王国』人気連載をまとめた、懐かしくいとおしい、旅情を誘う作品集。

先日感想を書いた、吉田修一の「さよなら渓谷」とは全く違うさわやかな短編集。ANAグループ機内誌「翼の王国」人気連載をまとめた本です。

この、「翼の王国」いつも特集や記事が面白くてANAの飛行機に搭乗した際は、はじからはじまでくまなく読んでしまいます。連載のセンスも素晴らしい。こういう企業が作っている雑誌類は制作にすごくお金と時間をかけているみたいですね。「翼の王国」の事を話したら、そう教えてくださった方がいました。

色々な人のお弁当を撮影し、簡単なインタビューと共に載せた「おべんとうの時間」も「翼の王国」連載。現在、NHK総合で毎週土曜11:30から、働く人のランチを紹介する「サラメシ」という番組がやっていますが(母のオススメ番組。教えてもらいました)、それと近くて、お弁当ってそれぞれストーリーがあるんですよね。「おべんとうの時間」、「サラメシ」共にオススメです。

で、話は戻って吉田修一の「あの空の下で」。
吉田さんらしい、優しくてちょっぴり余韻が残る素敵な作品達だらけでした。
吉田さんの作品って(特に「パークライフ」)、読む人によっては物足りないって感じる事があるかと思うのだけど、私はその、「ちょっとだけ物足りない?」という所が彼の作品の魅力だと思ってるんですよね。全て語り過ぎない技量といいましょうか。

amazonのレビューに書いている方がいますが、1話1話が短いので、通勤中に読むのにピッタリ。「ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編」というキャッチフレーズは本当に言いえて妙で、飛行機や旅先という非日常な空間で登場人物達に訪れるちょっとした変化が面白くてリアリティがあった。全然押し付けがましくないのに静かに感動したり、何かを考えるきっかけをくれる本。

エッセイも、もちろん素晴らしい。あ、あと短編の1つのタイトルが私の大好きな映画のタイトルだったのが、素敵なサプライズ。