読んだ。

「さらば雑司が谷」
さらば雑司ヶ谷
さらば雑司ヶ谷
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俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の辺境、雑司ヶ谷。この町に別れを告げる前に“大掃除”をしておく。霊園から、あの世へ送り出してやる。復讐と再生、中国マフィア、新興宗教…ひねりと笑いに満ちたH&V小説。

「いつも決まった作家ばかり読んでしまいます」と読書家の方に言ったら、薦めてもらった本。そして会社のお姉様に偶然頂きました。ありがとうございます!

好みは分かれる小説だと思いますが、私は好きです。
巻末のrespect for...の所にもあったけど「池袋ウエストゲートパーク」的なエンタメに寄った愉快な小説でした。

実在する特定の地域を舞台にした小説は、基本的にはその地域出身者や在住の人が一番楽しめると思うのだけど(「鴨川ホルモー」とか)、この場合は雑司が谷を知らない方がより想像がふくらんで面白く読めるのではないかと思います。

私は、雑司が谷のなんとなくの場所は分かりますが、訪れた事が無くて、この小説で描かれている雑司が谷を実在する駅ながらどこかファンタジックに感じる事が出来ました。舞台が中国に切り替わるシーンが多いからかもしれませんが、現代の日本よりぐっとアジアっぽい雰囲気に惹きこまれました。

話の内容は、雑司ヶ谷で起こるギャングやら宗教団体やらの抗争に主人公が巻き込まれるというものなのだけど、完全なる“中二設定”と“トンデモエロ描写”に振り切っていて、逆に清清しかったです。グロシーンもあるけれど、サラっと流せるレベルというか、全てにおいて共感が出来ない小説なので想像して苦しんだりすることがないので大丈夫。

自分の気に入った小説が映像化して、喜ぶ人はあまりいないと思うのですが、私はこの本めちゃくちゃ映像化向きだと思います(もちろん監督のセンスは必要、超大事)。お話全体がポップでたまらないB級感にあふれているので、ぜひ映像になったものを観てみたいなぁ。引き続き、「雑司ヶ谷R.I.P. 」にもトライしてみようと思います。あ、阿部和重とか好きな人は好きかもしれないっすね。