読んだ。

「みどりの月」
みどりの月 (集英社文庫)
みどりの月 (集英社文庫)
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男女四人の奇妙な共同生活。別れの予感を抱えた夫婦の、あてのないアジア旅。最も注目を集める作家が、今を生きる若者達の胸にひそむ明るい孤独感とやるせない心の行方を描く。


角田さんの小説に度々登場してくるテーマである、(幸せでは無い)共同生活と、(目的の無い)アジア旅を描いた2つの短編が収録。特に「みどりの月」は、読んでるこちらもイライラするほど不条理な展開に惹きこまれました。

ザックリ言うと、彼氏のマンションに引っ越してきたら既に同居人が男女ペアでいて、その2人がわけわかんないほど世捨て人で、主人公がハイパーイライラって話なんですけど、毎度角田さんの小説を読んでて思うのだけど、本当に描写がリアルでした。

何なら、どっかのマンションの一室訪れたらこういう人に出会えちゃいそうくらいの。

本当にめちゃくちゃ悩んだりピンチに陥っているわけでは無くても、日常の中のほんの少しのズレとか怒りが積み重なって、人は逃げたいと思うのだと。

これは個人的感想なのだけど、日々生活してて、「今ばーん!って窓から飛び降りたらどうなるんだろう」とか「電車の中で急に歌いだしたらどうなるんだろう」とか、しょうもない想像をすることってありませんか?

そんな、日常の中で自分の意思ひとつでアッサリ崩れていく様な、ギリギリのふわふわした感覚が、面白く恐く描かれている小説でした。ラストは若干物足りない気持ちがしなくも無かったのですが、良い本でした。