推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年12月

2011年私的ベストムービー!

誰も望んでいないのに、2011年ベストムービーを決めてみました。個人的です。主観です。
2011年に劇場公開された作品が対象です。

※「キック・アス」は2010年公開なんすけど、だいぶ年またぎでヒットしていたので入れちゃいました。「ファの豆腐」、「NINIFUNI」、「冬の日」は短編なので「movie PAO」で1本として換算してます。

試写会で観た来年公開作品を除くと、今年みた映画はちょうど60本でした。2009年、2010年にくらべると微減してるものの、仕事の環境が変わったりした割にはよく観れた! 月並みな言葉だけど、映画を観て元気をもらったり、色々考えさせられたり。映画には本当に頭があがりません。来年もあがりません。これからもずっと。

2009年の私的ベストムービー
2010年の私的ベストムービー

ついつい感想ブログを忘れて、「もう今さら…、ねえ?」って感じのもあるので、それは目をつむりつつ、個人的2011年映画ベスト10を書いてみました。

まずは10位から、GO!

■10位:映画けいおん!

2011年最後に観た映画が「けいおん!」。すべりこみで10位に選んでみました。アニメは1期、2期共に観ていて、好きですが同じ“ひらがな4文字日常系”でいったら、「みなみけ!」の方が断然好きなんです。けど、映画「けいおん!」良かった……。正直ちょっと泣いた。コアファンを狙ったけいおん!商法はひどく、前売り券を全種類買うだけで7万円かかるんだとか。そういうのはなー。でも、映画自体は良かったですよ。これは感想追っかけて書きます。

■9位:監督失格

故・林由美香さんを映したドキュメンタリー。元恋人である、平野勝之監督が、林とかかわった約15年間にわたる記録と、林の死後に新たに撮影した映像で構成。ブログにも書いてるけれど、感想をサラっと言えるタイプの映画ではない。人によっては、不謹慎だとか感じる人もいると思うんだけど、私はそんな事全く感じなかった。観て、そう思うんだったらいいのだけど、ラストシーンの監督の姿を観て、不謹慎だって思う人いるのかな。いるんだろうな。でもさ、不謹慎とか世間体とか社会とか気にする前に、そこに愛があるんだからいいじゃない(別に酔ってません)。

■8位:イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

感想をアップし忘れてるのにアレですが、これは本当に2011年を代表する映画だと思いました。イギリスで「覆面芸術家」として活動するバンクシーの初監督映画。現代アーティストの方が映画を撮って、ただのお洒落気取りになってないのもすごいし、そもそもそんなお洒落気取りをdisる(というよりは皮肉か)内容というのが素晴らしい。これはたぶんソフト買います。

■7位:劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ

かまってちゃん自体は結構どうでもいいのですが、この映画は最高! 最高にエモい! 二階堂ふみさんが自転車で爆走しながら「あるてめっとれいざー」を聴くシーンは、瞬間で言えば2011年ベストな映画体験。(後に、「あるてめっとれいざー」のをじっくり聴いたら歌詞のわけ分からなさに驚くのだが。なんていうか時代ってスゴイ)

「鳴り止まない」じゃだめなんだよね。「鳴り止まないっ」だよね。いっ!

■6位:冷たい熱帯魚

今年は園監督の映画を、来年公開の「ヒミズ」の試写をふくめて3本観ました。大好きな三池監督の映画は2本なので、今年一番作品をよく観た監督さんです。でんでんさんはこの映画でハイパーな悪役を演じ、和製ヒース・レジャーなどと言われてましたが、ある部分ではジョーカーよりすごいです。ボデーを透明にする。でも、社本演じる、吹越満さんもすごいです。ここまですごい映画を観ておきながら、埼玉愛犬家殺人事件について調べるとすごくグッタリする。現実ってすげーな。

■5位:ブルーバレンタイン
ブルーバレンタイン

この映画を観た人と、あの鷲柄のトレーナーについて小1時間語りたい! 一部の男性にとって「ブルーバレンタイン」は“ホラー”だそうですが、私は多くの人がそうであった様にあのエンドロールにやられてしまいました。私も、ホラーまでとは思わないにしても恐い映画だと感じたんだけど、映画を観てこういう感覚に襲われるのはとても大事だと思った。

■4位:恋の罪
恋の罪

6位に続き、園子温監督作品。たぶん(というか絶対)作品としては「冷たい熱帯魚」の方が高評価なんだけど、私の好みはこちらです。「冷たい熱帯魚」もそうだけれど、観終わった後に実際の事件を調べてみるとさらにグッタリするという。それは、映画が物足りないとかそういう事では全く無くて、監督の解釈でこうして映画を作って私達に問題提起してくれてるような、かといって「事件を風化させない!」といった押し付けがましさもなく。

とにかく女優さん達の熱演がすごかったです。映画なのだからもちろん撮影時に何度もカットがあり、編集があって完成しているんだけど、舞台で直接演技を観てる様な、そんな緊張感がありました。改めて、祝・園監督&神楽坂さんご婚約。

■3位:ドリーム・ホーム
ドリームホーム

私のライフワーク(というほどは観てないが)である、ホラー・スプラッタ・バイオレンス映画鑑賞。韓国勢「悪魔を見た」、「ビー・デビル」も素晴らしかったのですが、大賞は香港発の「ドリーム・ホーム」にします。この映画のおかげで、素晴らしい映画監督パン・ホーチョン、そして女優ジェシー・ホーを知る事が出来たのでそちらもプラス。微妙にネタバレになりますが、ドラッグまみれの若者の部屋で、格闘の末指がちょん切れてターンテーブルに乗っかるシーン。よくあんなこと思いつくなあ。

■2位:キッズ・オールライト
キッズオールライト

この作品ははじまった瞬間「ああ、とてつもなく自分好みだな」と思ってその気持ちがずっと終わらなかったです。公開のタイミングや、上半期ってこともあってあまり話題になっていない様に感じるのですが、これからもずっと良作としてまったり末永く観続けられればいいのになって思います。レズビアンの夫婦と子供達という異色の家族をモチーフにした作品ですが、別にこれは特殊なケースでは無いと思うのです。誰にでも通じる部分があると思う。

春から初夏にかけての(映画の中の季節はたぶん違うかな)感じの心地よい気候と気温をスっと感じることが出来る、素敵な映画です。私も庭にテーブル出してランチ食べたい。

■1位:塔の上のラプンツェル
9cca5614

1位はあんま悩みませんでした。もうこれしかないって感じで。ストーリーと音楽が文句無しに良いし、コテコテのディズニー節と現代アレンジの同居が抜群。これはジョン・ラセターがディズニー本体の映画にも携わる用になってから現れた事だと思うんですが、ディズニーらしいことをするのはやっぱりディズニーしかいないし、かといってそれに甘んじることなく良い作品作りの為にチャレンジを続けている姿勢がちょっと恐ろしくなってしまうほど素晴らしい。

昨年の「プリンセスと魔法のキス」で、“プリンセス”というワードが入っているから男の子の観客が少なくなってしまったという反省を活かし、ラプンツェルの相手役であるフリンが脇役では無くメイン級で出ているところも好き。ディズニー・プリンセス物なのに、王子様が泥棒っていう大胆アレンジもイカす。

ラプンツェルの可愛さ、格好良さ、3Dで観たランタンのシーン。良いところをあげれば本当にキリがありません。そして日本語吹き替え版でラプンツェルの声を担当した中川翔子さんがとても上手だった。しょこたん、大好き。まじで、字幕版に遜色無し。

「2011年私的ベストムービー!」

1位:塔の上のラプンツェル
2位:キッズ・オールライト
3位:ドリーム・ホーム
4位:恋の罪
5位:ブルーバレンタイン
6位:冷たい熱帯魚
7位:劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ
8位:イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
9位:監督失格
10位:映画けいおん!

***

次点たち。迷いましたな映画。(=好き)

ソーシャル・ネットワーク
グリーン・ホーネット
悪魔を見た
婚前特急
ブラック・スワン
ビー・デビル
エッセンシャル・キリング
スーパー!
モテキ
一命

あー。はやく観そびれてる「127時間」と「X-MEN」と「アジョシ」と「海洋天堂」と「ゴーストライター」が観たいなァ。

***

2011年の私が観たラインナップ↓ ※ざっくり時系列順。

ソーシャル・ネットワーク
ティーンエイジ・パパラッチ
キック・アス
GANTZ
グリーン・ホーネット(3D)
冷たい熱帯魚
恋とニュースのつくり方
塔の上のラプンツェル(3D・日本語吹き替え)
悪魔を見た
婚前特急
映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち
SOMEWHERE
阪急列車
落語物語
英国王のスピーチ
ランナウェイズ
トゥルー・グリット
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
ガリバー旅行記(3D)
イヴ・サンローラン
劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ
100,000年後の安全
キッズ・オールライト
エンジェルウォーズ
GANTZ PERFECT ANSWER
ブルーバレンタイン
ブラック・スワン
ドリーム・ホーム
プリンセス トヨトミ
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
SUPER 8 スーパーエイト
ファの豆腐(「movie PAO」)
NINIFUNI(「movie PAO」)
冬の日(「movie PAO」)
ビー・デビル
ムカデ人間
モールス
カーズ2
忍たま乱太郎
トランスフォーマー ダークサイド・ムーン
エッセンシャル・キリング
スーパー!
ツリー・オブ・ライフ
監督失格
ミッション:8ミニッツ
蛍火の杜へ
ザ・ウォード 監禁病棟
モテキ
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
一命(3D)
スマグラー おまえの未来を運べ
ステキな金縛り
カイジ2 人生奪回ゲーム
スリーピング・ビューティ
リアル・スティール
忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー!!!
恋の罪
指輪をはめたい
マネーボール
コンテイジョン
サルトルとボーヴォワール 哲学と愛
源氏物語 千年の謎

50/50 フィフティ・フィフティ

観た。

「50/50 フィフティ・フィフティ」
main_large
「(500)日のサマー」のジョセフ・ゴードン=レビットが主演し、ガンで余命宣告を受けた青年の姿を笑いや涙を交えて描くハートフルドラマ。酒もタバコもやらない普通の青年アダムは27歳でガンを患い、生存率50%と宣告される。同僚や恋人、家族は病気を気づかってどこかよそよそしくなっていくなか、悪友カイルだけはガンをネタにナンパに連れ出すなど、いつも通りに接してくれていた。アダムはなんとかガンを笑い飛ばそうと日々を過ごしていくが、刻々と進む病状に次第に平穏を装えなくなってしまう。カイル役のセス・ローゲンが製作を務め、ガンを克服した親友の脚本家の実体験をもとに映画化した。

面白かった!
この映画の感想でそう言っている方が多いのだけど、病気モノ、難病モノで延々とお涙頂戴しか出来ないのが邦画、それ以外の切り口が見出せるのがアメリカ映画だと本当に思います。「世界の中心で愛を叫ぶ」とか、私は中盤まですごく好きなので、この「50/50 」みたいなテイストの映画が日本映画でも観れると嬉しいなって思います。

もちろんアメリカ映画が絶対まねできない日本映画の素晴らしさも多いから、何でも頭ごなしにいってるわけではなないのですが。

sub1_large
「50/50」、面白かったです。私はソロ鑑賞@TOHOシネマズ渋谷だったのですが、ざっと観た感じ他にもソロ客多かったし、男性2人組とかも多かった。ジョセフ・ゴードン=レビットって本当今をトキメク俳優さんだと思うし、「マイレージ・マイライフ」のアナ・ケンドリック(スコット・ピルグリムの妹!)も出ていて、好きな俳優さんばかりだった。何より、主人公アダムの悪友・カイルを演じたセス・ローゲンがイカしすぎ!!!!


↑グリーン・ホーネットとして世の中の悪を根絶やしにするセス・ローゲンさん、ビースティのMVにも出演。

お話的には、予想どおりっちゃ予想どおりの展開ではあるんですけど、それがいーんです。自分の病気をネタにして、ガンガン女の子をナンパするカイルに、アダムはだんだんイライラとしてくるんだけど、後半であることに気づいて友情の素晴らしさに気づく。そのシーンとかも、本当ベタ中のベタなんだけどすごくよかった。

私は女同士の友情も大好きだけど、男同士ってこう女には分からないセンスとばかばかしさがあってうらやましいな。

sub3_large

この彼女役の女優さんもうまかったなー。女の嫌な部分を出してるのがうまかった。この嫌な部分同性としては心からは嫌いになれない。けど、夢を理由にするのはだめだよな、うん。

sub4_large
とにかく、さほど目新しさの無い内容を新鮮に、そして傑作にする俳優さんたちの演技力、作品全体からあふれ出すセンスの良さが素晴らしかった。アダムは病気をきっかけに色々なことを考えたり、言葉では軽くいえないくらいの転機を味わうわけだけど、それが全く説教くさくなくて良い。

ラストシーン、アナ・ケンドリック演じるカウンセラーとアダムの会話が、アダムのこれから自体を暗示していて、私も頑張ろうってちょっと背筋が伸びるよな気持ちにさせられた。元気の出る映画です。

源氏物語 千年の謎

観た。

「源氏物語 千年の謎」
main_large
「人間失格」「ハナミズキ」の生田斗真を主演に、作家・高山由紀子の「源氏物語 悲しみの皇子」を映画化。「愛の流刑地」の鶴橋康夫監督がメガホンをとり、“物語の中の光源氏の世界”と“物語を書いた紫式部の世界”が交錯する世界を描く。共演に窪塚洋介、東山紀之ほか、中谷美紀、真木よう子、田中麗奈、多部未華子ら豪華女優陣が結集する。

いつだったか、予告編観て「こういう源氏物語モノって定期的に流行るよなぁ」というのが率直な感想だったんだけど、だんだんと「どうせトーマス(生田斗真)がたくさん脱いで女子がキャーキャー言うんだろうな」「でも、だったらトーマスファンの若い子にむけて源氏物語ってモチーフはどうなの?」「欲求不満の主婦とかがみるの?でもそこまでちゃんとエロいの?」等と、つい「源氏物語 千年の謎」の事ばかり考えてしまっていたのだった。

つまり、この映画誰得なんだよ!? ってことなんですが。
「破壊屋」さんの「2011年度この映画はいったい誰が観にいくんだ!?大賞」にも敬意を表してこちらの映画を投票いたしました。なんていうか、「こち亀」とか「もしドラ」の誰得感に全然かなわなくて地味なところも私のツボだった。

で、肝心の映画の内容なんですが。うーん。1998年の映画とかだったら面白かったのかも? とりあえず、物語の冒頭、森の中での紫式部と藤原道長のラブシーンはトンデモすぎてひっくり返りそうになりましたよ。

sub5_large
まず、数少ない良い所から。私、真木よう子さんって、初めてちゃんと素敵だって思いました。今までは何となく好感を持ってなくはないけど、それほど意識したことは無かったので。藤壺役。綺麗だった。でも、藤壺役だし、せっかく女優として肝がすわってる真木さんを起用したんだから、もうちょっと露出があってもよかったのでは?

sub2_large
ヤーマン! 窪塚さん演じる安倍晴明は、窪塚さんまんま過ぎて何度か吹き出しそうになった。というか、そもそも安倍晴明登場シーンが、それまでの映画のテンションと明らかに違って、最後までその異質感がぬぐえませんでした。(あれ…、私いま「牙狼-GARO-」みてるんだっけ…?)って不安になった。

sub4_large
「源氏物語」ってすごく長いので、どこまでをピックアップするのかなーと思ってたんだけど、葵の上の死から、源氏の絶望。ってあたりまで描かれてました。ていうか、田中麗奈演じる六条御息所の嫉妬シーンばっかりだったけどね! 田中麗奈の幽霊メイクは、もとが美人さんなだけに恐かったし、CGは頑張ってはいたんだけど、もうギャグにしか見えなくて。

この映画、結構長くて。2時間16分もあるんです。しかも、中盤がだれてる、とか後半グダグダになるとか要所要所がダメっていうのより、ずーっとだるい感じ。将来、ところどころカットしたver.をテレビでやって、そんでお茶の間で夕ご飯食べながら、「……うん。面白くはないよね? さ、風呂はいろー」ってな感じの映画でいいんじゃないんでしょうか。

あ、東はやっぱ格好良かったです。和服似合う。お手洗いで女子高生らしき子達が会話してたけど「映画の中だったらトーマより東のが格好良かった〜」って言ってたし。

観たのに感想を書いてない映画たち(自分メモ)

観たのにまだ感想を書いてない映画たちです。
年末のランキング用に忘れないように書き出しておきます。

「英国王のスピーチ」
「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」
「スリーピング・ビューティ」
「指輪をはめたい」
「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー!!!」
「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」
「源氏物語 千年の謎」
「ビー・デビル」

たまに書きそびれちゃうのですが、決してその忘れた映画がつまらないというわけではないのです。
例えば、「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」なんかは確実に今年ベスト10には入る傑作です。

追って感想書きます。

コンテイジョン

観た。

「コンテイジョン」
jp-pub-photomain-ctgn_large

「トラフィック」「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグ監督が、マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレットら豪華キャストを迎え、地球規模で新種のウィルスが感染拡大していく恐怖を描いたサスペンス大作。接触感染により数日で命を落とすという強力な新種ウィルスが香港で発生。感染は瞬く間に世界中に拡大していく。見えないウィルスの脅威に人々はパニックに襲われ、その恐怖の中で生き残るための道を探っていく。

マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤールら人気も実力もある、豪華俳優陣が共演。豪華俳優陣という枕詞は、洋・邦問わず映画でよく使われますが、本当にここまで豪華ってのも珍しいんじゃないでしょうか。

さて、内容はというと、悪くは無いのですがどこかパンチの足りない映画だった様に思います。これが、低予算B級映画で、有名な俳優さんが出てこない「第9地区」的なつくりだったらもっと楽しめたのかもしれません。でも、逆に言えば、「コンテイジョン」での俳優陣の演技は本当に素晴らしかったので、この俳優陣がいなかったらそれはそれでさらに退屈な映画になっていたのかも……というモヤモヤはあります。

jp-pub-photosub1-ctgn_large
マット・デイモンはもちろんよかったのですが、ケイト・ウィンスレット、グウィネス・パルトロウら女優さんたちが特に良かったです。グウィネスの弱っていくところの表現力はすごく、気の毒になるくらい具合が悪そうだった。あと、彼女が発病するくだりの展開(夫への裏切り)は私は好きです。妙なリアリティがあって。

jp-pub-photosub3-ctgn_large
ジュード・ロウ演じる、“炎上”ブロガーの役は、うーん。ちょっと「ネットの情報なんてインチキだ」的な、君塚良一的なネット差別表現を感じて、あんま好きじゃなかったかも。保釈金を、彼のファンが払うっていう展開は良かったけど。

映画「ミスト」の様な、大きな恐怖がおとずれた時の、人間同士の争いが一番恐いという部分も、若干アッサリしていた様な。アメリカ的パニック描写の定番である、荒らされるスーパーマーケットももっと観たかったぞー。

全体的に、「やりたかったシーン」はたくさん思いついたのだけど、それが上手につながっていないかなという印象。誘拐されたマリオン・コティヤールや、マット・デイモンの娘のプロムとか。一つ一つが悪くないのに、どこかブツ切れ感が否めなくて、がっつりのめりこむことが出来なかったのが残念。

少し不完全燃焼な映画体験となりました。

マネーボール

結構前になりますが、観ました。

「マネーボール」
df-02636r_large
メジャーリーグ「オークランド・アスレチックス」のGM(ゼネラルマネージャー)、ビリー・ビーンの半生を、ブラッド・ピット主演で映画化。全米約30球団の中でも下から数えたほうが早いといわれた弱小球団のアスレチックスを独自の「マネー・ボール理論」により改革し、常勝球団に育てあげたビーンの苦悩と栄光のドラマを描く。監督は「カポーティ」のベネット・ミラー。「シンドラーのリスト」のスティーブン・ザイリアンと「ソーシャル・ネットワーク」のアーロン・ソーキンが脚本を担当した。

「日本映画は大好きだが、外国特にアメリカ映画に絶対適わないのがスポーツ映画だと思う。」(大根仁監督ブログより引用)というのには、本当に大納得。日本の面白いスポーツ映画ってあったっけ?

同じ野球が題材でも、アメリカでは「マネーボール」が、日本では「もしドラ」が出来ちゃった!……ってのは、そもそも比較するものでも無いし、内容も異なるし、変に卑屈になるつもりはないのだけど。

私はもともとスポーツにうといのがあって、スポーツ映画って全然熱心には観ていないけど、
子供のこと母親と「プリティー・リーグ」を一緒に観た記憶がすごくある。もう一度観たいな。

さて、「マネーボール」なのだけど、私が一番良かったのは娘の歌!貼ったYoutubeは、カヴァー前の原曲です。



「愛の枯れた オバカさん また迷ってる パパはオバカね パパはオバカ…… もっと野球を楽しんで」ってすごくいい。スポーツ映画と同じくらい、日本映画がアメリカ映画にかなわないのは、ローティン女子の“おませさん描写”だと思う。1人のレディとしての立ち振る舞い方が、生意気だけどすげー可愛いしはっとさせられる。

今年も色々な映画の傑作エンドロールを観てきたけど、純粋に曲で感動したのは「グラントリノ」の「Gran Torino」以来かも。

ちなみに、同じく「マネーボール」を観た野球バカの先輩に「この曲いいっすね」と言ったところ、「物語の設定が2002年なのに、この曲が2008年発売というところだけ気になったw」とおっしゃっていまして、これはシネマハスラーで宇多丸さんも言ってました(それを否定しているわけではなく、普通に気づいたという事で)。かっこいいぜ野球バカ!

df-10334r_large

さて、私は野球、ましてやメジャーリーグなんて全く詳しくないのだけど、この映画はそんな私でも楽しむことが出来ました。やっぱり、老害……と言われても仕方ないような、ダメなおじさん達にブラピが一喝するところが印象的だったかな。

「ツリーオブライフ」の時にも思いましたけど、ブラピの演技力ってすごいね。瞳で語ってる。ラストシーンの車運転シーンとか、私までぐっときちゃったし。何より、映画のモデルになったアスレチックスGM・ビリー・ビーンの挑戦が現在も続いている、というところが素晴らしい。

同じスタッフが制作した「ソーシャルネットワーク」のザッカーバーグもそうだけど、「こんなすごい人がいたんだよ!!すごいでしょ?」って映画ではなくで、現在進行形の挑戦の途中を映画にするというのは、丁寧に取り組まないとサムくなる気がするから。

df-17580_large
スポーツ映画、ローティン女子のおませさんぶりと並んで、もう一つアメリカ映画にあって、日本映画に無いものといえば、“デブのいいやつ”! この、おデブも相当いい味だしてたよ。

思ったよりも専門用語というか、ほんの少しメジャーリーグに対する知識が必要な部分があって、その時はよく分からない事もあったんだけど、映画が私みたいな素人のレベルまで“おりてきてない”所が本当に偉いと思う。映画って、ちょっと「???」な所があったほうが、観た後に色々調べたりして、そんでますますその映画が好きになったり、自分が物を知れたりするのが楽しいんだと思うんですよね。

恋の罪

感想遅くなりました。ものすっごかった。

「恋の罪」
koi_tumi_main_large
「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」の鬼才・園子温監督が、水野美紀、冨樫真、神楽坂恵を主演に迎え、実在の事件をもとに描く愛の物語。21世紀直前に起こった、東京・渋谷区円山町のラブホテル街で1人の女性が死亡した事件を軸に、過酷な仕事と日常の間でバランスを保つため愛人を作り葛藤(かっとう)する刑事、昼は大学で教え子に、夜は街で体を売る大学助教授、ささいなことから道を踏み外す平凡な主婦の3人の女の生きざまを描く。

今から13年ほど前、渋谷で起こった東電OL殺人事件にインスパイアされたという、園監督最新作。
映画観終わった後の劇場のグッタリ感はんぱなかったです。
もう見ず知らずの人と「……やばかったすねぇ…」って一杯酌み交わせるレベル。

観た人の中には被害者を冒涜してる、遺族の気持ちを無視してる…うんぬん否定的な意見もある様ですが、あくまでインスパイアであって、これは完全なフィクションですので、それは念頭に置いて観たほうがよいです。

とはいえ、さすが園監督にアイデアを与えるだけあって、この東電OL殺人事件、すごすぎる。事実は小説より奇なりとはまさに。すごすぎる。

園監督作品はじめての人とか、エグい描写が苦手な人(そもそも、そういう人は観にいかないと思うけど)は、唖然としちゃう描写のオンパレード。それをやってのける3人の女優さんに感服いたしました。水野美紀さん、冨樫真さん(初見の女優さんでした)、神楽坂恵さん、それぞれパーフェクトだったと思います。

02_large
冨樫さんは想像通り、舞台を中心に活躍する女優さんの様で、演技が素晴らしすぎました。ありがちな表現ではありますが、現実に存在する人の様。まるで本当にどこかの大学の講義をのぞけば美津子さんがいるんじゃないかって思うほどに。公式サイトによると園監督は、冨樫さんに「一緒に心中するよ」と言われ、自分も美津子のいる世界にどっぷりはまれたそうです。

そして、祝・園監督とご婚約!な神楽坂さん。私事ですが、以前別の映画でお話を伺った事がありまして、清楚でもの静かで可憐な雰囲気がとても印象的だったのですが、「恋の罪」では堕ちていく作家の妻を見事に体当たりで演じていました。このいずみという役が出来なかったら女優をやめようとすら考えていたようです。

この美津子といずみの行動をベースに、事件の謎が明らかとなっていくわけですが、この2人の会話にはいくつもハッとなる様な言葉がありました。ネタバレになる&文章では伝わらなさそうなので書きませんが、「モテキ」で長澤まさみちゃん演じるみゆきが言った一言と、本作で美津子が言った一言が、私にそれぞれ行動をおこさせてくれた部分もあり、忘れられない一作となりました。

01_large
そして、刑事役の水野さん。それぞれ違う時間や思惑で進んでいくシーンをつなげていくまとめ役であり、本人自身も様々な葛藤を抱えているという、とてもバランスの良いキャラクターでした。演技力ももちろんですが、テレビドラマを中心に活躍していた時代よりも、今のほうが格段に美しくなっている様に私は感じました。

この3人の女優陣の他にも、アンジャッシュ児嶋さん、水野さんの旦那さん役の二階堂智さん、「空気人形」でもそうでしたが、小売店の嫌らしい店長を演じさせたら右に出る者がいない岩松了さんなど、サブキャストも素晴らしかったです。

「愛のむきだし」はわけわかんないんだけど、わけわかんないほど面白い映画、
「冷たい熱帯魚」はエンタティメントとしての大傑作、
その流れからすると「恋の罪」はもしかして、園監督ファンに物足りない作品であるのかもしれないけど私は、この映画めっちゃくちゃ面白かったです。

「ヒミズ」も楽しみ!

------------------------

そういえば、ノベライズ版も読みました。

恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)
恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)
クチコミを見る

作品の中で起こる殺人事件以後の話で、映画と比べるとライトなデリヘル嬢もの、といった印象。
悪くはないですが、すごく面白いというわけではない。

小野大輔「DELIGHT」

ひさーしぶりに書く音楽ネタが小野大輔ってのもあれなんですが、
買いました。

DELIGHT 【DVD付】
DELIGHT 【DVD付】
クチコミを見る

アニメやゲームから、ラジオや音楽活動に至るまで、様々なシーンで活躍中の超人気声優“小野大輔”。 前作「熱烈ANSWER」ではアーティストとしての新境地を開拓し、ファンを騒然とさせた…。 そんな彼が1年振りにシングルを発表!!今作はどんな切り口で攻めてくるのか!? 極上のエンターテインメントにご期待下さい!!

昨年の「熱烈ANSWER」から完全にあっちに振り切れた小野Dのニューシングル。
かなりK-POPを意識した様な音で、妖艶な感じ。小野Dの声にはあってる。
でも、表題曲「DELIGHT」よりも、みのりんをゲストボーカルにむかえた「叱咤純愛 1,chu,3!!」の破壊力がすごい。ギョっとするんだけど何度も聴いてしまう中毒性アリです。

私は配信派(CDいらないもん)なんだけど、今年は割とCD買ったほうかも。
小野D、DGS関連はもちろん、斉藤和義、RHYMESTER、あと映画のサントラを何枚か。
今は、水樹奈々のベストアルバム迷い中です。

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 オリジナル・サウンドトラック
スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 オリジナル・サウンドトラック
クチコミを見る


Kick-Ass Music from the Motion Picture
Kick-Ass Music from the Motion Picture
クチコミを見る


Sucker Punch
Sucker Punch
クチコミを見る


映画サントラ、「スコット・ピルグリム」と「キック・アス」はいまだに結構聴く。「エンジェル・ウォーズ」はお借りしました! Bjorkの「Army of Me 」超かっこいいっす。

profile
東京で働く28歳。ライターをしています。

2012年ベストムービー
2011年ベストムービー
2010年ベストムービー
2009年ベストムービー はこちらから。
  • ライブドアブログ