推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年11月

リアル・スティール

livedoor の試写会にお誘いいただきました。どうもありがとうございました!

「リアル・スティール」
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ヒュー・ジャックマン主演、「ナイトミュージアム」のショーン・レビ監督で、ロボット格闘技を通じて父子が絆を取り戻していく姿を描く。2020年、リモコンで遠隔操作されたロボット同士が戦う“ロボット格闘技”が大流行。プロボクサーからロボット格闘技の世界に身を転じたチャーリーは、スクラップ寸前のロボットを闇試合に出場させて一攫千金を夢見ていた。そんなある日、離婚のため離れて暮らしていた11歳の息子マックスを預かることになり、慣れない父子の共同生活が始まるが、廃工場で旧式ロボット「ATOM」を発見したことから2人の運命が大きく変わっていく。


何となく、大作が少なかった様に思える2011年のラインナップ。「ハリーポッター」のラストも「パイレーツ・オブ・カリビアン」もあったはあったものの、どちらもシリーズものなので、通ってない人にとってはあまり盛り上がる作品でもなかったりして。

そういった意味で、この「リアル・スティール」の様な、老若男女誰しもが「観たい!」って直感で思える映画って貴重ですよね。実際、この冬の大本命だと思います。「リアル・スティール」。ハリウッド大作らしい贅沢な映像と、ストレートなサクセスストーリーで、人を選ばない良作だと思います。

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日本でもとてもファンが多い、ヒュー・ジャックマン。出世作が「X-MEN」なのに、これだけ女子に人気があるっていうのもすごい。最近セレブ雑誌多いし、関根麻里さんもよく「スッキリ!」で推してたし、やっぱり格好良いよね。プライベートではよいパパとして有名なヒュー・ジャックマン、今回はダメダメなパパにチャレンジです。

生活に困っている元プロボクサーという役柄なのですが、反面、その顔とボディで変に女にはモテるという所は彼にしか演じられなかった様に思います。また、彼を支える女性が典型的な“アメリカ的いい女”で素敵でした。町並みはかなり現代にそっているのに、いきなり近未来的な携帯電話やロボットが出てくるところは、最初は少し驚きましたが、すぐに慣れるので、その世界観のマッチング具合が上手だなとまず思いました。

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あと、ロボットがすごく可愛い。“超悪男子”ことノイジーボーイとか、キャラデザ的にはとてつもなくダサいのですけど、いざ試合に出てボコボコに殴られているのを観てると本当に可哀想で……。もう1人の主人公とも言える、ロボットのATOMにいたってはかわいくてかわいくて。「WALL-E」もそうなのですが、無機質で感情が無いはずの物なのに、どうしてこんなに心が痛むのかと、自分でも不思議でした。

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息子役の俳優さんは、とても演技が上手で。ATOMとのロボットシーンは最高に可愛かったです! 大人びているんだけど、本当は誰よりも傷つきやすいという、これまた“アメリカ的小学生”にピッタリはまっていました。前半の、“ツン”があるからこそ、後半の“デレ”とまではいかないにしても、父親との心の触れ合いに胸が打たれるんですね。

CMで宣伝されている様な、「感動の涙」みたいなのは私は無かったです。でも、それは感動しなかったわけでは決してなくて、すごくさわやかな感動だったので。「最後がこういう展開になっていたら私は泣く。でも映画としてそれは、許せない!」というポイントがあったのですが、本当に良い意味でドンデン返しが無くて、最後まで楽しく映画が観れました。

ボクシングシーンは、迫力がすごくて、一緒に観たお友達もずっと拳を握りしめていたそうですから、映画好きや格闘好きの男性にも十分満足できる映画だと思います。もちろん、ベタ過ぎるのが苦手な方はアレかもしれませんが。

何より、映画観終わって「映画っていいよね〜!」って心から思える作品が久しぶりだったので、すごく嬉しくなりました。ほら、面白くってもドンヨリする映画ってたくさんありますのでね。(次回のレビュー「恋の罪」への布石)

カイジ2 人生奪回ゲーム

観た。

「カイジ2 人生奪回ゲーム」
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福本伸行の人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化した「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009)のシリーズ第2作。原作でも人気のエピソード「欲望の沼」をベースに、映画オリジナルのゲームを加えて描く。多額の借金を帳消しにしたカイジだったが、またしても借金まみれになってしまい、当たれば10億円以上を稼げるモンスターパチンコ台「沼」に挑戦することに。裏カジノの支配人で最大のライバルでもある一条聖也が裏で操る「沼」を攻略するため、カイジは同じ負け組仲間を集めてゲームに挑むが……。


感想書くの遅れちゃったんですが、公開2日目に渋谷TOHOシネマで観たので、会場ほぼ満員でした。
それで、若い子がすごく多かったし、テレビ局主導映画だから10代が多いのは分かるんだけど、
それって俳優陣目当てなのか? カイジ目当てなの? 藤原さんも伊勢谷さんも私の年齢からちょっと上くらいがストライクだと思ったのでちょっと素朴な疑問でした。

感想は、10代でもちょっときつかったんじゃないかなーっていう内容。
「こうなると見せかけて……、違うんだよね?」って予想する事が全部そのままというか、「こうなると見せかけて……、本当にそうなんかい!」って思わず突っ込んでしまう幼稚さが目立った映画でした。

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「カイジ」ファンとしては、“沼”とか結構ちゃんと出来てて興奮したし、映画「カイジ1」がそんな嫌いじゃない身としては、藤原カイジと松尾班長(松尾スズキが演じる班長はいやらしすぎる。アニメのチョーさんの声も良かったけどね)がまた観れただけで、ちょっとニヤニヤしました。

でも、「カイジ1」の“Eカード”みたいな緊張感は今回無いし、ブレイブ・メン・ロードにしても、エグさがかなりトーンダウンした印象。もちろん、ビル上のブレイブ・メン・ロードより、今回の「姫と奴隷」の方が「愛している人の裏切り」というエモさはあるのかもしれないけど、ざわざわ感が全然なかったなー。

あと、利根川演じる香川さんが、途中から丹下段平にしか観えなかったYO!

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伊勢谷さんの、「めちゃくちゃに格好良いんだけど、何かちょっとだけ変」みたいな持ち味は存在感あった。けど、利根川に比べちゃうと全然策士に見えないし、後半やられっぱなしだから、“逆転”展開へのカタルシスが弱い。

先日ブログに記した「ステキな金縛り」とこの「カイジ2 人生奪回ゲーム」が興行収入で1位、2位を獲るなんて本当なんだかなーって感じなんですが、私も実際観にいってるので「俺も……ッ、クズの一員…!」ってところでしょうか。

鑑賞のお供はもちろん、生ビール。悪魔的なうまさだったよ。

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ステキな金縛り

観た。

「ステキな金縛り」
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「ザ・マジックアワー」の三谷幸喜監督が同作以来3年ぶりにメガホンをとり、法廷サスペンスやファンタジーの要素も盛り込んで送り出すオリジナル長編コメディ。三流弁護士のエミが、担当する殺人事件の弁護のため、被告人のアリバイを唯一証明できる落ち武者の幽霊・更科六兵衛を法廷に引っ張り出そうと奮闘する姿を描く。主演は深津絵里、西田敏行。共演に竹内結子、浅野忠信、篠原涼子、佐藤浩市ら豪華キャストが集う。
世の中には二種類の人間がいる。三谷幸喜監督で笑える人と笑えない人だ。
……、ってよく紹介文に使われるこの“二種類”発言って、すごく言いこと言ってる風で中身フワフワじゃんって思うの私だけでしょうか。

世の中には二種類の人間がいる。シチューをご飯にかける人とかけない人だ。でも良いってことでしょ? 汎用性抜群の反面、使い方間違えるとかっこ悪いよね。

という、つぶやきは置いておいて。私、笑えない人なんです。
それでこの映画観にいってるので、立派な当たり屋です。

感想はというと、深津絵里は神だけど、やっぱり笑えない。の一言(二言)に尽きると思います。

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物語のプロットのしょうもなさは、好みじゃないわけでは無いんですけど、映画の最初から最後まで同じテンションで繰り返される「ベロベロバー的笑わせ方 (C)宇多丸さん」にすっかりアテられてしまいました…。

けど、先日書いた「スマグラー」の感想でもふれたけども、三谷ファンはそれがいいんだもんね。だから、巷では三谷幸喜最高傑作!の呼び声もある様だけど、やっぱり苦手な人は観ないほうがいいし、大好きなら観て絶対損は無いのでは?

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阿部寛ほか、出演者の方の演技は素晴らしかったですけどね。だからこそ、市村さんの役とか必要!?って感じでもあったし、小日向さんパートも、部下みたいな人がマトリックスチックなのの意味分からなかったなー。

あ、良かったところといったら、TKOの木下さんには萌えました。以上。

スマグラー おまえの未来を運べ

観た。

「スマグラー おまえの未来を運べ」
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「闇金ウシジマくん」で知られる真鍋昌平のコミック「SMUGGLER」を、「鮫肌男と桃尻女」の石井克人監督が実写映画化。役者志望のフリーター・砧涼介は、借金返済のために日給5万円の高額アルバイト「運び屋(スマグラー)」を始めるが、運んでいるものが暴力団組長の死体と知り、暗殺者に追われることに……。主演は妻夫木聡。永瀬正敏、松雪泰子、満島ひかり、安藤政信らが共演。

面白かったです。面白かったんですよ、私は。
この映画、賛否両論あるみたいですけど、その否の大半は“石井克人らしさ”へのアレルギー反応だと思うんですね。あの90年代後期感。確かに、寒いと感じる人にはとことん寒いんだと思う。

でも、私は元々石井監督が結構好きで、高校生のときとかすごくはまってしまって、それで雑誌のインタビューとかも結構追っちゃう感じで、18歳で上京してはじめて一人で映画館で映画観たのも「茶の味」だったりして(これは、贔屓目があっても面白い作品だとは思えないのだが)。

なので、この後ブログに書きますけど「ステキな金縛り」が私にとって全く面白くなかったのに、周りの観客が笑っている呆然とした気持ち。それが、石井作品にとっての、周囲からの私。だとしたら勝手に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうのですけどね。しょうがないですね、好みですから。

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で、感想なのですが、元々真鍋さんの漫画が大好きです「スマグラー」原作も持っている身から観ても再現度がすごく高かったと思います。特に、主人公・砧って“普通にダメな奴”なので、実写で表現するのってすごく難しいと思ったのです。ある意味、背骨とかよりも。でも、妻夫木さん上手すぎ。ハマリ役すぎ。私は彼の砧役だけでも、映画全体をまかなえる魅力があったと思っています。

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原作ではおっさんだったのに、ゴスロリ美女に設定を変えて、違和感を感じる人が多いという松雪さん演じる闇金屋。私はすごく良かったです。やられました。

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“背骨”の安藤政信の肉体もすごかったよ。末恐ろしい美しさみたいのは感じたし。確かに後半の、背骨に関する描写はちょっと安っぽかったかもしれないけど。

石井監督が嫌いな人は、“石井組”の俳優さん達の演技にもアレルギー反応があるのだと思う。それは俳優さん個人の問題ではなくて、石井演出の上でのってことなんですが、ジジイ役の我修院さんのキャスティングは確かにトゥーマッチだったとは思う。あと、内臓が強そうに見えないっていうのも問題か。

が、トータルとして観終わった後の「面白かったー」という気持ちは確かなので、私は好きな一作です。

ところで映画とは全く関係ないのですが、私が高校生の時に「ペルソナ4」をやっていたら(アニメを観ていたら)、確実に中二病をこじらせていたような気がいます。「オシャレかつ、ちょっとオタクかつ、選民意識が働くんだけど、数年後いきなり黒歴史に変わる可能性も大」という意味で。私が高校生の時に中二病をこじらせるきっかけとなったのが、中野裕之であり、多田琢であり、石井克人だった様に。ってCMクリエーターばっかじゃん。




一命(3D)

観た。

「一命」
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滝口康彦が1958年に発表し、62年には仲代達矢主演の「切腹」として映画化もされた時代小説「異聞浪人記」を三池崇史監督が3Dで再映画化。江戸時代初頭、大名の御家取り潰しが相次ぎ、困窮した浪人たちの間では、裕福な大名屋敷に押しかけて切腹を申し出ると面倒を避けたい屋敷側から金銭を与えられることを利用した「狂言切腹」が流行していた。そんなある日、名門・井伊家の門前に切腹を願い出る1人の侍・津雲半四郎が現れ、井伊家の家老・斉藤勘解由を前に驚くべき真実を語り始める。主演は歌舞伎俳優・市川海老蔵と瑛太。共演に満島ひかり、役所広司ら。

昨年の大大大傑作映画「十三人の刺客」を創った三池崇史×ジェレミー・トーマス(プロデューサー)のタッグ再び。しかも題材が“浪人”モノとなれば、それだけで大興奮。感想を咲に書いちゃうと「一命」もとても面白かったので、ぜひ三池監督にはもう1作、時代劇を撮っていただいて「侍とは何か3部作」を完成させてほしいと思っている次第。

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暗めの画面、ろうそくのゆらめきの向こうに映し出される井伊家の家紋や鎧。鎧はただ、そこにあるだけなのに重厚な雰囲気と「これから何がおこるのだろう」という緊張感があった。美術、セット、衣装細部までのこだわりがとても感じられました。

私は海老蔵さんとう人物を別に好きでも嫌いでもないのだけど、ただやっぱりオーラ、迫力はものすごくて、現代劇に出ると他の雰囲気をぶちこわしにしちゃう威力があると思っていて。そういう意味で、時代劇という舞台での海老蔵さんは相当輝いていたし、あのわざとらしい喋り方も武士、中でも「津雲半四郎」というキャラクターにはビシっとはまっていました。

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海老さまに比べると、どうしても迫力不足で、周囲でも不安視する声が多かった瑛太。けれど、映画の序盤では明かされていない彼の贈ってきた人生が分かるにつれ、「元々武道よりも本が好きな侍」というキャラクターなので、瑛太さんの優男っぷりがむしろプラスになっていた様に感じます。

↑このシーン、本当素晴らしすぎた。けど、素晴らしく幸福で優しいシーンであればあるほど、後半の不幸展開のフラグ臭もハンパない。

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お食い初めでの海老さまのハシャギっぷりは、個人的に殺陣シーンと同じくらいの緊張感が…! 

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さらに、良かったポイントが、青木崇高、新井浩文、波岡一喜の3人。新井さんと浜岡さんって本当どの役柄観ても素晴らしくて感動します。青木さんも「時をかける少女」を観てから気になる俳優さんの1人であったのだけど、本作でのふてぶてしさ、貫禄、素敵でした。

「十三人の刺客」のゴローちゃんインパクトや、エモーショナルな演出は少なめで、至極全うな時代劇ですので、三池ファンの中にはもしかして物足りない人もいるのかもしれません。逆に三池テイストが苦手な人でも見れるのかも?

直接的に血がドバっと出たりすることは少なめですが、想像させる痛さはハンパないです。そこらへんも瑛太さんアッパレ。そして満島ひかりさんの薄幸さも美しい。あ、ちなみに3D要素は全く期待しないほうがいいので、2Dで観たほうがいいと思いますw
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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