推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年09月

スーパー!

観た。

「スーパー!」
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冴えない夫のフランクは、セクシーなドラッグディーラーの後を追って家を出てしまった妻を取り戻すため、自前のコスチュームを身にまとったお手製ヒーロー「クリムゾンボルト」に変身。クレイジーな相棒ボルティーとともに危険地帯の犯罪に立ち向かう。レイン・ウィルソン主演、エレン・ペイジ、リブ・タイラー、ケビン・ベーコンが共演するアクションコメディ。監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本で注目され、SFホラー「スリザー」でデビューしたジェームズ・ガン。

冴えない男が、自作コスチュームでヒーローになる! というプロットを聞けば、「キック・アス」を思い出すのが自然な流れ。好みは分かれると思いますが、私は「キック・アス」よりこっちのが好きです。まぁ、プロットは似てるとはいえ全然内容は異なる映画だし、そもそも比べるもんでも無いのですが。

でも「キック・アス」の爽快感、くだらなさ、可笑しさを求めていったらしょんぼりする映画ではありますので、そこはお気をつけて。

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手作りヒーロー、“クリムゾン・ボルト”。予告では「そのダサかっこよさに全米が騒然!」ってコピーが書かれてたけど、全然かっこよくはなかったよ! 最初から中盤まで、中川家の礼二さんに見えて仕方なかった。


↑予告にもチラっと出ますが、アニメーションが良かった。タイトルロールのヘタウマ風で楽し気なアニメなんだけど、結構グロい事ばんばん起こってて、本編の展開を予想させるところが素敵。

この映画、しょうもない描写も多いし、笑えるんだけど結構ゴア描写が多いんです。ドラッグの売人や、児童買春しようとしているヤツらをガンガン鈍器で殴りつける。やるほうもおっさんだし、鈍い動作が逆に生々しくて痛い。ていうか、確かにドラッグとか買春はイケナイコトだけど、クリムゾン・ボルトって見方によっては通り魔じゃ…。っていう観客の見方の変化こそが、この映画の面白い所。悪を倒す為のヒーローがしてる事の方がよっぽど悪じゃね?っていう。

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極めつけが、ヒーローオタクでありセックス依存症で、無理やりクリムゾン・ボルトの相棒になった“ボルティー”の存在。ボルティー役のエレン・ペイジちゃんは、「JUNO」「ローラー・サイクル・ダイアリー」「インセプション」に出演する、10年代を代表するであろう女優さんですが、ぶっ飛び演技はんぱなかったッス。

お笑い担当なんだけど、にじみ出る狂気がものすごかった。今年観た映画の中で一番強烈なサブキャラクターかも。自分が崇拝していたり信じているモノにここまで真っ直ぐだと、ただの狂人という。それだけに、ボルティーの末路は唸ったな〜。

全体を通して、宗教感(キリスト教)がにじみ出ている作品でしたので、無信仰な私には本質的な意味が分かっていないのかもしれません。が、すごく好みの映画でした。後味が良いワケじゃないんだけど。出てくる俳優さんがみんな上手すぎた。



エッセンシャル・キリング

観た。

「エッセンシャル・キリング」
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ポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ監督が83分間セリフなしで撮り上げ、第87回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞、最優秀男優賞を受賞したサバイバルアクション。アフガニスタンで米兵を殺害したアラブ人兵士ムハマンドは、ヘリの爆撃を受け、一時的に聴力を失う。米軍に捕まりどこかへ移送される途中、護送車のアクシデントにまぎれて脱走したムハマンドは、雪に閉ざされた深い森の中を逃走する。主演はヴィンセント・ギャロ。

今年最大のカルト作(私の中で)であり、話のネタに観た感はあるけど思わぬヒット!
ここ最近観た映画の中では一番面白かったです。
内容はただただ、「ヴィンセント・ギャロが逃げるだけ」。本当にコレだけ。

ギャロといえば、「バッファロー66」(これ、好き!)で一気に人気出たけど、「ブラウンバニー」がまじわけわかんなすぎて、“なんだかよくわかんないひと”ってイメージ。ユニクロでTシャツ出したりしてたね、ハイパーなマルチクリエイター。

見た目が渋いから一瞬女子の餌食になりかけたけど、本当はものすんごく変なヤツっていう所が、いい意味で山田孝之っぽくて好きです。そういう変な人だからこそ、この映画にビシっとはまったんだと思うし。

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↑こんな何も無い雪原の中を、自分の足だけで逃げるギャロ。逃げきれるわけないよ、ギャロ!

ギャロ演じる主人公のアラブ人兵士ムハンマドは、米兵を殺した事により捕まり、拷問を受けたりするのですが、捕まった時のヘリコプターの爆音のせいで聴力を失っており、米軍が何を言ってるか分からないんですね。聴こえない相手に激しく責められ、わけのわからないままに拷問を受ける恐怖。

アクシデントをきっかけに、ムハンマドの逃亡がはじまるわけですが、これが本当に生々しくて過酷。バイクで逃げたり、ヘリから縄ばしごが出てくるワケじゃないですから。ましてや走って隠れる建物も無い。ただただ、真っ白な森を必死に逃げ続ける。ギャロのセリフは映画本編中、一言もありませんが、迫真の演技。素晴らしかったです。

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森の中を体一つで逃げていれば、もちろん食べ物に困る。蟻や木の皮を食べたり、釣り人の魚を奪って生のまま食べたりして(このシーンは、笑えた)飢えをしのぐのですが、動物は殺さない。タイトルの「エッセンシャル・キリング」とは、「エッセンシャル」が「欠くべからず」という意味で、直訳だと「殺害を欠くべからず」ってことなんですが、自分の身を守る意外の殺害はしていないんです。

「そこは殺して、そこは殺さないのね」ってあたりがこの映画の持つメッセージだと私は思っていて、そこが面白かったですねー。

とにかく、逃げまくるギャロが愛おしい。セリフほぼ無いのに全然眠くもならず、87分エキサイティング。これはすごい映画でした。

*****

余談なんですが、コレを観た日、平日の21時くらいだったのに若い女子が溢れていて「ギャロってすげーなー」って思ってたんですが、彼女らの目的は当時同じ映画館で上映していた、「タクミくんシリーズ」でした。ボーイズラブものです。BLってすげーんだなあ。

もう一つ余談なんですが、ギャロが知人の男性ソックリで、何となくその人を応援している様な気分になりました。

トランスフォーマー ダークサイド・ムーン

観た。

「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」
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日本の人気玩具をもとに、マイケル・ベイ監督が実写化したSFアクションシリーズ第3弾。1969年7月20日、アポロ11号による人類初の月面着陸により、月の裏側に金属生命体=トランスフォーマーの宇宙船が不時着していたことが発見された。NASAとアメリカ政府により長らく隠されていたその事実から、トランスフォーマーをめぐるナゾが明らかにされていく。シャイア・ラブーフらメインキャストが続投するなか、ヒロインは前2作のミーガン・フォックス演じるミカエラから、モデル出身の新鋭ロージー・ハンティントン=ホワイトレイが演じる新キャラ、カーリーに交代。

トランスフォーマーに対する愛が足りないのか、わざわざIMAX版を観るという贅沢をさせていただいたのにも関わらず、結構寝てしまいました!すみません!

トランスフォーマーは、オモチャやアニメは知らないにせよ、前作2作とも観てて、特に「トランスフォーマー・リベンジ」は、IMAX川崎で観てるので、予備知識はそこそこにある方。ていうか、バンブルビー、ラブ。あの子カワイイ。

「トランスフォーマー・リベンジ」が色んなところで酷評されていて、マイケル・ベイ自身も「あれは失敗だった」って言ってたり、ミーガン・フォックスが降板したりと、トラブルが多いのもこのシリーズの特徴。っていうか、そのへんも動きも含めて、「トランスフォーマーを観る」というイベントなのかも。って思ったり、思わなかったり。

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で、「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」。予告編で観た「宇宙映画っぽい」雰囲気と、「人間は私達を裏切った」的なオプティマスの怒りシーン(及び、人間vs.オートボット)は、実際の映画にはちょっぴりしか出てこなくて、結局はいつものトランスフォーマーでしたねぇ。

だから、トランスフォーマーが好きならば全然満足出来るんだろうし、好きじゃなかったら相当退屈なんだと思う。そもそも、尺が長いよ!あと30分縮められるだろ、ベイ! マルコヴィッチとのシーンとかいらないっていうか、就活のターンについても、主役を「彼は何度も世界救ってますけど、実生活では結構ダメな奴なんですよ、タハハ」って描写したいのは分かるけど長すぎ。そんないらない。

あと、観た人ならみんな思うとおもうけど、新ヒロインの魅力の無さね。もちろん、スーパーな美人ですけど、前ヒロインのキャラクターのが全然良かったでしょうよ。

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途中で寝たくせに、文句ばかり言うのもあれですけど、一番ずっこけたのは、炎と煙が広がる中、闘い終えた兵士達がゆっくりと歩いてきて、その表情には疲労と安堵とほんの少しの達成感が…。という、ラストシーン。

あの、こういう演出まだしますかね? 2011年にw
さすがに古くないっすか?っていう。これをネタでやってるんだったらいいんだけど、本気だからすごいよなー。

と、文句ばかりが多くなりましたが、もちろんIMAXで観るロボット達は大迫力だったし、「トランスフォーマー・リベンジ」よりは「これで終わりかよ!」感無いし、「映画を映画館で観る」という行為自体への満足感は高いです。

けど「何も考えずに楽しめる!!」ってほどは、テンポ感よくないし、疲れるんだよなー。うーん。バンブルビーの出番が増えてたからいいんだけど。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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