推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年08月

忍たま乱太郎

観た。

「忍たま乱太郎」
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NHK教育でアニメ化され人気を集めた尼子騒兵衛によるギャグコミック「落第忍者乱太郎」を、NHK大河ドラマ「天地人」や「桜田門外ノ変」の人気子役・加藤清史郎主演で実写映画化。「ヤッターマン」「十三人の刺客」の三池崇史監督がメガホンをとる。エリート忍者を目指して忍術学園に入った乱太郎は、友達のしんべヱやきり丸と一緒にドジを繰り返す日々を過ごしていた。そんなある日、忍術学園の上級生である髪結いの息子・タカ丸の家に暗殺者が現われる。

85年生まれの私は、もろに忍たま世代!
毎日学校から帰ってきたら観ていたし、「しほうろっぽうはっぽう、手裏剣〜♪」ってよく歌ってたし、
スーパーモンキーズによるエンディングテーマ「ダンシング・ジャンク」ももちろんマスター。



初めて好きになった二次元キャラクターは、土井先生だし…。
小学生の私は、忍たまと一緒に大きくなったのだ。

最近、腐女子に大人気とかそういう話はもちろん聞いてたし、すげーなァとは思っていたのですが、
もちろんアニメは見ていなくて。自然と忍たまとの距離が生じていたんです。(そりゃそうだ)

が、しかし、そこに飛び込んできた実写映画化のニュース。監督は三池崇史。年間すごい数の仕事をこなし、傑作も駄作も同じくらいたくさん創りだす、俺達の三池。観るしかない。

というわけで、だいぶ遅くなったけど、同じく忍たま世代の幼馴染と勇んで劇場に行って来ました。

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感想はというと、「うん、そうだよね。これが忍たまだよね」って感じでした。めちゃくちゃ面白かったわけじゃないけど、私的にはキレイに実写化出来てると思いましたよ。

なんか全体的にゆるいストーリーだし、特に盛り上がりという盛り上がりも無いし、ギャグが寒いっちゃ寒いだけど、そこ文句言うとこじゃない気がする。だって、忍たまの原作がそもそもそうじゃんね?っていう。加藤清史郎くん、すっげーかわいかった。普段は全然好きじゃないし、カワイイと思った事一回もなかったけど、乱太郎役はかわいかったなぁ。

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一番感心したのは、セット・美術関連。教室のディティールやばかった。あ、忍術学園だ。って素直に感動。リアルにセットを組んでいる部分と、わざと安っぽく作ってアニメの雰囲気を出している部分の切り分けが楽しかった。衣装も、本当にアニメから抜け出してきたみたいで素晴らしかったと思います。

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で、実写版忍たまの最大の見所である、「豪華俳優の無駄遣い」(超ほめ言葉)について。色んな人が感想で挙げている様に、俳優陣のなりきりっぷりは本当にすごかった。特殊メイク! 稗田八方斎(ひえたはっぽうさい)とかね。ここまで忠実に再現する必要あったのってくらい、100%でした。

でも皆さんが体はるの、共感できる。だって私がもし俳優だったら、どんなチョイ役でもいいから忍たま、しかも三池さんの忍たま出たいもの。

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とはいえ、不満な部分ももちろんあって、「???」ってシーンはちょいちょいあった。細かいけど、「忍者はやっぱラーメンだよね」「忍者はやっぱカレーだよね」という所の意味が分からない。あそこで尺とる必要があったのかとw(現場での三池さんアイデアだと勝手に想像しております)

あと、中村玉緒演じる、山本シナ先生(おばあちゃんver.)のターンが、めっちゃ下品に描かれてたけど、ああじゃないよねっていう。若い時は凛々しく厳しく美しく、おばあちゃんの時は優しいって設定じゃなかったかな。子供向けでわかりやすい笑いをつけたしたかったのかなって思うとけど。ちょっと残念。

最大の不満は「ヘムヘムがいない」ところなんだけど、まあそれは無理だからいいやって思ってます。

山田先生(きり丸も)の女装など、原作ファンだったら嬉しい小ネタも満載なので、かるーい気持ちで観たらいいって思う映画です。続編があるとしたら、兵庫第三協栄丸さんあたりのエピソード希望。

カーズ2

観た。だいぶ感想遅れ。

「カーズ2」
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ジョン・ラセター監督によるピクサーアニメ「カーズ」(2006)の続編。前作に続きラセターが監督を務める。天才レーシングカーのマックィーンとおんぼろレッカー車メーターの珍コンビが、前作の舞台ラジエーター・スプリングスを飛び出し、日本をはじめフランス、イタリア、イギリスとワールド・グランプリレースを転戦。その道中でスパイ工作に巻き込まれていく姿を描く。

「カーズ」1作目は、人生ベスト3に入るくらい好きな映画なんです。
ベタなストーリーではあるんですが、観る前に全く(本当に全く。むしろ悪口言ってた)期待していなかったのもあって、当時映画館でものすごく感動してしまって。

主人公のマックィーン、メーターなど主要キャラクター、そしてキングが本当に素敵で。傑作揃いのピクサー作品の中でも、一番大人向けだと思うし、けどそこに逃げてない、子供が夢中になれる楽しさもあって、本当に大好きです。

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で、2です。2。「カーズ」は2006年の日本公開当時、「ゲド戦記」とかぶってしまったのもあり、そもそもキャラクターがキャッチーでは無いし、興収は奮わなかったんですよね。世界的にいうと、マテル社製のカーズフィギュアがバカ売れしてるという背景はあるにせよ、ピクサー作品の中でも何となく地味。

なんかどっちかっていうと「モンスターズインク2」(これは、ビギンズ的な内容でやるみたいですね)とか「ファインディング・ニモ・アゲイン〜今度は大西洋で大暴れ!?〜」とかの方がやりそうじゃない。だからこそ、「カーズ」の続編が決まった時は、すごくすごく嬉しかったし、「俺、先生(ジョン・ラセター)に一生ついてくよ!」って胸が熱くなったものです。

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前置きが、長い。で、2はどうだったかというと。面白かった。もちろん面白かった。映像もキレイだし、迫力も大。新キャラクターのスパイ2人(台)もすごく良かった。

長編アニメーションの中でいったら、そりゃあ抜群に面白いです。けど、ピクサーなのでっていうところでいうと、面白いの前提で言うと、「ピクサーの初めての駄作」というアメリカでの評判に関して、「まー分かるかも」って思ってます。正直。

純粋にもっとレースシーンが観たかったんだ!!
メーター頑張ったけどね、すごい頑張ったけど。

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敵キャラの設定も良かったし、最後の推理に驚かされる部分があったにせよ、少しドタバタが過ぎて、ピクサーらしい「なんて素晴らしいお話なのだろう。むしろ、おとなしすぎて恐いわッ!」っていうのが無かったかなー。もう少し、メーターとマックィーンのバディ要素が多くても良かった。後半のストーリーに効いてくるにせよ、メーターのひょうきんな部分を少し強調した感も否めない。かわいいんだけどね。

とはいえ、もちろん素晴らしいポイントもたくさん。Perfumeは言わずもがな、胸熱だし、スモウやスシに隠れがちではあるけど、細かい東京の描写が素晴らしかった。バラエティショップで、丸っこくデフォルメされたマックィーンのぬいぐるみが売られてたりと、芸が細かかったです。

「カーズ」愛が裏目に出て、物足りなさが残ったわけですが、映画としては全然はずしてないです。夏にぴったりの娯楽大作。同時上映の「トイストーリー ハワイアンバケーション」は文句なし、最高。

G戦場ヘヴンズドア(日本橋ヨヲコ)

お借りして読みました!

「G戦場ヘヴンズドア」(日本橋ヨヲコ)
G戦場ヘヴンズドア 1 (IKKI COMICS)
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父を嫌悪しながらも、意識せずにはいられない血のつながり。紙とペンが、堺田と鉄男の揺れる感情を剥き出しにする。友情と情熱と欲望と因縁の多感ストーリー!

日本橋ヨヲコ先生は、今「エース」で連載してる、「少女ファイト」をたまにちらちら読むくらいなんで、
きちんと読んだのはこれが初めて。

むっちゃくっちゃ良かったです!!

言うならば、「バクマン」の大人版というか、いや、抱えてるものはシリアスでも、漫画にかける想いは「バクマン」よりも熱かったりするからな、うーん。稚拙な表現にとどまってしまうけど「バクマン」から、漫画に対するメタ構造を抜いて、とことんパッションでかけぬけた! という感じでしょうか。

あ、バクマンバクマン言ってますけど、こっちのほうがバクマンより先みたいです。
無論似すぎてて不快とか、マネっことかそういうのは一切関係ない2つとも素晴らしい作品です。

鉄男のミステリアスさに惹きこまれながら、謎多く展開する1巻、物語が一気に進む2巻、そして思わず号泣してしまった3巻。やー、そもそもこの「漫画の引き伸ばし問題」が顕著な現代において、これだけコンパクトにまとめて完結してるだけでエライ。

絵に多少の好き嫌いはあるかもしれませんが、これ超オススメです。出会えて良かった。

モールス

観た。

「モールス」
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スウェーデン製の傑作ホラー「ぼくのエリ 200歳の少女」を、「クローバーフィールド HAKAISHA」のマット・リーブス監督がリメイク。学校でいじめられている孤独な少年オーウェンは、近所に越してきたばかりの少女アビーと出会う。お互いに孤独な2人はやがて心を通わすようになるが、アビーにはある秘密があった。出演は「キック・アス」のクロエ・モレッツ、「ザ・ロード」のコディ・スミット=マクフィー、リチャード・ジェンキンス。

「ぼくのエリ 200歳の少女」は、過去の私のブログ記事探ってみても無かったのですが、すごく好きな映画なんです。題材ももちろん、北欧というロケーションと、十代の男女のその時、その一瞬にしかない美しさが素晴らしい作品だと思います。

だから、この映画のハリウッドリメイクって、「インファナルアフェア」のリメイクくらい、「それ、アメリカでやったら意味ないやーん!」と、エセ関西弁(世界一鬱陶しい現象)が飛び出してしまうくらい不安だったんです。

オリジナルの「ぼくのエリ 200歳の少女」に関して、“ボカシ”と“邦題”問題は(この2つの問題について怒っている人はたくさんいるので、気になる人はGoogle先生に聞いてみよう!)、いったん置いておきましょう。吸血鬼の話だけれど、単純なヴァンパイア・ムービーでも無いし、十代の淡い恋愛だけに偏っているわけでは無い、とても繊細で味わい深い映画です。

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で、肝心な「モールス」。リメイク作品として、かなり良かったです。オリジナルを観た私みたいな人にも面白く、オリジナルを知らない人にも面白い。かつ、ガッツリ省いている描写が多いのに、改悪はされていない。監督は、「クローバーフィールド HAKAISHA」のマット・リーブス監督だそうですが、“大味”になっていないので、素直にすごいなーって思います。

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いじめられっこの少年、オーウェン。彼がいじめっこに何度も「やい、女の子」とバカにされる部分は、「そんなアメリカンな挑発のれない!」((C)南海キャンディーズ山ちゃん)って感じだったのだけど、オーウェンの怯えた表情と、部屋の中で鏡に向かってナイフを持ちながら「やい、女の子」と“仕返しの妄想”をするシーンがすごく良かったな〜。

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そして、クロエ・モレッツ(美少女殺人兵器ヒットガール)が演じるアビーの色気に驚いた。なぜ雪の上を裸足で歩いているだけでエロいのか。「なんだろうこの気持ち、なんだかしんないけどドキドキする…。これが、エロいって気持ちなのか…?」という、おそらくオーウェンが抱いたであろう説明のつかない感情が、私にも乗り移った様でしたよ。

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冒頭には、「吸血鬼の話だけれど、単純なヴァンパイア・ムービーでも無い」と書きましたが、吸血鬼のクラシックな設定はきっちり守られているので、そのへんは十分萌えれます。映画原題「LET ME IN」の意味するところとかですね。

結末は、「ぼくのエリ 200歳の少女」と同じ展開で、2人の純粋な「一緒にいたい」という気持ちと、アビーの本能としてのどうしようも無い部分。アビーとオーウェンは永遠に“イーブンな関係”(ともさかりえの名曲「カプチーノ」より)なれないんですよね。すげー切ない。

でも、結局一番、感情移入というか 同情しまくってしまったのは父親かな。父親が迎える結末って、紛れも無い純愛だった。恐ろしいシーンに包まれているけど、あのシーンは愛しか無かったな。

というわけで、「ぼくのエリ 200歳の少女」が好きな人も、クロエちゃんファンも、何かしんないけど観たいって人も、気になった人は観て損は無いと思います。ただ、スティーヴン・キングが「20年のアメリカでNO.1のスリラー」と言ってるのは、ちょっと大げさかなあ?w  好みの問題ですけどね。

トラウマ映画館 (町山 智浩)

読んだ。

トラウマ映画館 (町山 智浩)
トラウマ映画館
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町山智浩さんが主に10代の頃、テレビなどで出会った、衝撃の映画たち。
呪われた映画、闇に葬られた映画、一線を超えてしまった映画、心に爪あとを残す映画、25本!
貴方の記憶の奥に沈む、忘れたいのに忘れられない映画も、きっとここに!

まず町山さんのデータベースの豊富さがすごすぎる。
生きて来た年代が違うとはいえ、私が何年後かにここまでの映画は知れてないと思う。

この本に載っている映画の中で、観たことあるの『尼僧ヨアンナ』だけでした。
(『尼僧ヨアンナ』はオーケンのエッセイか何かに出てきて、知ったのでした)

全ての映画に関する文章を興味深く読みましたが、特にこれは観たいと思ったのが、

「消えた旅行者」は存在したのか?――『バニー・レークは行方不明』
世界の終わりと檻の中の母親――『不意打ち』
少年Aが知らずになぞった八歳のサイコパス――『悪い種子』
残酷な夏、生贄のかもめ――『去年の夏』
真相「ねじの回転」、恐るべき子どもたち――『妖精たちの森』

の5本で、特に『去年の夏』はぜひ観てみたいものです。

一言に≪トラウマ≫といっても、虐殺、暴力、グロから、カニバリズム、性表現、昆虫系、宗教系と、人によって“キツイ”ポイントってそれぞれですよね。

私はグロいのはもちろんウワっ…て思いますけど、それよりも「内集団バイアス」であったり、人間による静かな洗脳とかそういったのがすごく恐いので、『去年の夏』にはゾっとくるものがありました。

映画『去年の夏』あらすじ。

夏休みを島の別荘ですごしているサンディという少女が、二人の高校生と知り合った。彼女は挑発的な態度をもって二人を操っていたが、やがて三人組の仲間として新たな少女が加わる。嫉妬したサンディは、少女を傷つけようと画策する……。若者の行状を描いた作品。エヴァン・ハンター(エド・マクベイン)原作。

これだけ読むと、夏の切ない青春ストーリー!って感じなのですが、雰囲気はずっしりしていそう。でもソフト化されてるかどうかもちょっと怪しい感じなんだよなあ。

とにもかくにも、この本、オススメです。

ちなみに、私のトラウマ映画は、織田裕二主演「卒業旅行 ニホンから来ました」(1993年)。嗚呼。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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