推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年06月

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

観た。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
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2009年12月に発売され、発行部数236万部を超えるベストセラーとなった岩崎夏海の同名小説を、人気アイドルグループ「AKB48」前田敦子の初主演で映画化。公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める川島みなみが、勘違いして購入した経営学者ピーター・ドラッカーの著書「マネジメント」を参考に野球部を改革し、甲子園出場という夢を実現するために奔走する姿を描く。監督は「うた魂♪」の田中誠。共演に瀬戸康史、峯岸みなみ(AKB48)、池松壮亮、川口春奈、大泉洋ら。

もしドラ。原作もドラッカーの「マネジメント」も読んでいないのですが、まず普通に「何で今なのか?」っていう疑問はぬぐえない公開時期ですよね。せめてあと半年はやければ、ここまで世の中的にサムい感じになってなかったのではないでしょうか? 関係ないですか、そうですか。

町山さんが「観てないけどゴミ映画」発言したりして(で、ちゃんと観にいって改めてけなしてて素敵だった)、別の意味で楽しみにしていた映画なんだけど、思ったより良かったかも。観る前のハードルが相当に低いということは前提で、ですよ。

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まず、前田敦子と峰岸みなみがカワイイ。佐々木希ちゃんとかが女子高生役を演じると「こんなカワイイ子いないだろ…」ってなるけど(でも希ちゃんは実在しているので、本当はそれ自体がおかしいのだけど)、あの2人のほどよいカワイさ、そりゃアイドルだからすごくカワイイけど、「もしかしたらクラスに1人くらいはいるかもね!」っていうAKBの魅力そのまんまのカワイさが、映画の中でも魅力的だったと思う。

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野球部が全然野球部に見えない、ましてやマジメに練習してないだけでポテンシャルがあるなんて全く見えないんだけど、そのイケメン男子野球部員と女子とのラブロマンスが全然無いので、ある意味潔かったかなと。

一番キツかったのが、書店員を演じた石塚さんと、キャリアウーマン役の青木さやかが出てくるパート。映画のターゲットがティーンだからしょうがないかとも思うけど、あのコテコテの寸劇、たぶん女子高生も笑わないよなぁ。そこだけは、本当駆けて逃げ出しそうになりました。

これが原作どおりだったとしたら、たぶん原作も好きになれそうにないんですけど、伏線(らしいもの)が全く回収されないところも含めて、ツッコミどころ満載の映画ではあります。

だって、途中からドラッカーとか関係なくなっちゃってるし。結構、中盤からマネジメント関係なくなっちゃってるし!(ハライチ)

プリンセス トヨトミ

観た。

「プリンセストヨトミ」
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「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」で知られる人気作家・万城目学の直木賞候補になったベストセラーを映画化。1615年の大阪夏の陣で断絶したはずの豊臣家の末裔(まつえい)が今も生きつづけ、大阪の男たちは400年もの間その秘密を守り続けていた。国家予算が正しく使われているかを調査する会計検査院の精鋭3人は、ふとしたことからその真実を知ってしまい、大阪の公共機関や商業活動など、あらゆる機能が停止する一大事件に巻き込まれていく。

3月くらいから、予告を何度か観てまして、所感はサッパリわけのわからん映画だな、と。



で、なんだろこのB級感、っていうかB級かどうかもわけがわからないレベルだと思ってたんですけど、万城目作品だと知ってナルホドなと。「鴨川ホルモー」も「鹿男あをによし」も好きなので俄然楽しみになって観てきました。

「大阪国」って本当にありそうだもんね。
(素敵な要素が一つも感じられない、そして一生観ないであろうこの映画も同じ様な設定)

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で、開始前半は結構真剣に観ていたんだけど、中盤くらいで一瞬眠りに落ちてしまい(「SUPER8」でもそうでした。最近睡魔がすごくてダメだなあ…)、もしかしたら大事なシーンを見逃しているかもしれないのですが、物足りなさは否めませんでした…。堤さんと中井さんの演技でなんとか形にしてる感じ。

岡田将生くんは空気の様な存在感だったし(大事な役だよな?これ)、まず、謎の鍵を握る少女と女装少年が全体から浮きまくっていたっていうのが微妙だった。あの男の子は、いじめにあってまで頑なに女装する動機づけが全然足りてないので、ただの気持ち悪い少年に成り下がっていて残念でした。そこしっかり描かないと、後半の展開が全然エモーショナルじゃない!

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冒頭の街から人がガランといなくなる所や、大阪城の下での演説などすごいなと思うシーンがあっただけに、この物足りなさはもったいないかと。で、ニュースとかでちらほら話題になっているみたいだけど、綾瀬はるかさんのスタイル抜群さが炸裂していました。そこは期待していって大丈夫です。スタイリストが伊賀大介さんなのですが、初めて彼の意義が分かった気がします。あの衣装ね。

で、「あー寝ちゃったな…」って映画に対して申し訳なると同時に、スクリーンに燦然と輝く「亀山千広」の文字…!ガックリしました、アマルフィ!!

「パン・ホーチョン、お前は誰だ?」(夏休みの宿題、ビヨンド・アワ・ケン、AV、イザベラ、些細なこと)

香港発のバイオレンス・サスペンス「ドリーム・ホーム」が面白かったので、監督について調べていたらたどりついた、シアターNによるミニ映画祭「パン・ホーチョン、お前は誰だ?」。最初の上映だった「イザベラ/伊莎貝拉」 が気になったので、早速観に行ってみることに。

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「イザベラ/伊莎貝拉」

感想の前の前書きとして、パン・ホーチョン監督作品で日本語版のDVDがリリースされているのが「イザベラ/伊莎貝拉」 だけなので、残念ながら他の作品は簡単には観る事ができません。だからこそ、東京国際映画祭で特集が組まれた時にはチケットは即完売、今回のシアターNの試みはありがたいものなんですね。私自身、パン監督を全く知らなかったのですが「ドリーム・ホーム」のおかげでこんな素晴らしい映画に出会えました。

ちょっと長くなりますが、香港映画好き、香港自体が好き!という方はぜひ読んでみてください。


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さらば雑司が谷

読んだ。

「さらば雑司が谷」
さらば雑司ヶ谷
さらば雑司ヶ谷
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俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の辺境、雑司ヶ谷。この町に別れを告げる前に“大掃除”をしておく。霊園から、あの世へ送り出してやる。復讐と再生、中国マフィア、新興宗教…ひねりと笑いに満ちたH&V小説。

「いつも決まった作家ばかり読んでしまいます」と読書家の方に言ったら、薦めてもらった本。そして会社のお姉様に偶然頂きました。ありがとうございます!

好みは分かれる小説だと思いますが、私は好きです。
巻末のrespect for...の所にもあったけど「池袋ウエストゲートパーク」的なエンタメに寄った愉快な小説でした。

実在する特定の地域を舞台にした小説は、基本的にはその地域出身者や在住の人が一番楽しめると思うのだけど(「鴨川ホルモー」とか)、この場合は雑司が谷を知らない方がより想像がふくらんで面白く読めるのではないかと思います。

私は、雑司が谷のなんとなくの場所は分かりますが、訪れた事が無くて、この小説で描かれている雑司が谷を実在する駅ながらどこかファンタジックに感じる事が出来ました。舞台が中国に切り替わるシーンが多いからかもしれませんが、現代の日本よりぐっとアジアっぽい雰囲気に惹きこまれました。

話の内容は、雑司ヶ谷で起こるギャングやら宗教団体やらの抗争に主人公が巻き込まれるというものなのだけど、完全なる“中二設定”と“トンデモエロ描写”に振り切っていて、逆に清清しかったです。グロシーンもあるけれど、サラっと流せるレベルというか、全てにおいて共感が出来ない小説なので想像して苦しんだりすることがないので大丈夫。

自分の気に入った小説が映像化して、喜ぶ人はあまりいないと思うのですが、私はこの本めちゃくちゃ映像化向きだと思います(もちろん監督のセンスは必要、超大事)。お話全体がポップでたまらないB級感にあふれているので、ぜひ映像になったものを観てみたいなぁ。引き続き、「雑司ヶ谷R.I.P. 」にもトライしてみようと思います。あ、阿部和重とか好きな人は好きかもしれないっすね。

あの空の下で(吉田修一)

読んだ。

あの空の下で (集英社文庫)
あの空の下で (集英社文庫)
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初めて乗った飛行機で、少年は兄の無事を一心に祈っていた。空は神様に近い分、願い事が叶う気がして―。機上で、田舎の駅で、恋人が住んでいた町で。ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編と、東南アジアから北欧まで、6つの町で出会いをつづったエッセイの詰め合わせ。ANAグループ機内誌『翼の王国』人気連載をまとめた、懐かしくいとおしい、旅情を誘う作品集。

先日感想を書いた、吉田修一の「さよなら渓谷」とは全く違うさわやかな短編集。ANAグループ機内誌「翼の王国」人気連載をまとめた本です。

この、「翼の王国」いつも特集や記事が面白くてANAの飛行機に搭乗した際は、はじからはじまでくまなく読んでしまいます。連載のセンスも素晴らしい。こういう企業が作っている雑誌類は制作にすごくお金と時間をかけているみたいですね。「翼の王国」の事を話したら、そう教えてくださった方がいました。

色々な人のお弁当を撮影し、簡単なインタビューと共に載せた「おべんとうの時間」も「翼の王国」連載。現在、NHK総合で毎週土曜11:30から、働く人のランチを紹介する「サラメシ」という番組がやっていますが(母のオススメ番組。教えてもらいました)、それと近くて、お弁当ってそれぞれストーリーがあるんですよね。「おべんとうの時間」、「サラメシ」共にオススメです。

で、話は戻って吉田修一の「あの空の下で」。
吉田さんらしい、優しくてちょっぴり余韻が残る素敵な作品達だらけでした。
吉田さんの作品って(特に「パークライフ」)、読む人によっては物足りないって感じる事があるかと思うのだけど、私はその、「ちょっとだけ物足りない?」という所が彼の作品の魅力だと思ってるんですよね。全て語り過ぎない技量といいましょうか。

amazonのレビューに書いている方がいますが、1話1話が短いので、通勤中に読むのにピッタリ。「ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編」というキャッチフレーズは本当に言いえて妙で、飛行機や旅先という非日常な空間で登場人物達に訪れるちょっとした変化が面白くてリアリティがあった。全然押し付けがましくないのに静かに感動したり、何かを考えるきっかけをくれる本。

エッセイも、もちろん素晴らしい。あ、あと短編の1つのタイトルが私の大好きな映画のタイトルだったのが、素敵なサプライズ。

ドリーム・ホーム

観た。

「ドリーム・ホーム」
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香港、ビクトリア・ハーバー沿いに立つ高級高層マンションで警備員が絞殺される。その後もマンションの住民に対して惨劇を繰り返す犯人は、金融機関に勤めるチェンだった。ごく普通のOLに過ぎないチェンが猟奇的な犯行を繰り返す裏には、香港人の給与と高騰する地価という不条理な社会状況が大きく関与していた。香港の鬼才パン・ホーチョン監督が現代社会への風刺を交えながら描くサスペンス。

ここまでグロければ、逆に爽やか!
「グロすぎて、どっかの映画祭で汚物袋が配られた」とかいう逸話や(こういうのにのせられやすい)、監督のインタビューでかなり気になっていて、観てきました。ところがどっこい、ゴア描写だけじゃなくて映画としてもかなり面白かったです。

まず、こんだけ美人な殺人鬼ってのがそそられますよね、素直に。主人公チェンは、貧しい家に生まれて、仕事も2つ抱えて一生懸命貯金している女の子なんだけど、演じたジョシー・ホーさん本人はマカオのカジノ王の娘で超お金持ちってのも面白い。それなのに、この映画にプロデュースから参加してる骨太なところが素敵、惚れた。

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それと、殺しの方バリエーションが本当に豊かだった。「よく思いついたなあ、こんな方法」ってのは、「SAW」シリーズがお得意だと思うのだけど(1以降はそれに走りすぎて、映画の主軸がブレた)、「ドリーム・ホーム」のチャウはジグソーと違って、自分で超体はってるところがすごい。油断して反撃されて怪我しちゃったりして。

内容は全然違うんだけど、自分の手でしっかりと殺して(痛めつけていく)という所は、ビョン様のサスペンスホラー「悪魔を見た」をちょっと連想したりしました。武器も包丁とかリアルだし、結束バンドとか、手作り感あふれているところも良い。

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監督本人が「女の裸が見たくてスプラッタ映画ばかり観てた」と言ってるだけあって、殺されちゃう女の子の必死で逃げまくって抵抗するシーンも見応えがあった。若い男女が愛し合ってる最中に、男が後ろからぶっと刺され、とある事が起きるのですが(こちらは別のブロガーさんの記事をご覧ください)、その後の女子のセリフとか笑ってしまった。イカす演出!

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チャウの目的の為には、人を出来るだけ無残に殺さないといけないので、そこまでやるか…みたいなシーンが本当に多い。特に妊婦さんを殺害するシーンは苦手な人はかなりの嫌悪感があると思うので、ご注意。(そもそも苦手な人は観ないか)

あと、音楽がすっごいヨカッタんで調べたら、ガブリエル・ロベルトという人が監督してるみたいです。で、この方、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を「嫌われ松子の一生」(06年)で受賞した、初のイタリア人であり、昨年TBS系列で放映されたドラマ「SPEC」も担当しているらしくて、すげー格好良いと思いました。

しかも、スチールカメラマンがウィン・シャ。ウォン・カーウァイ作品の「ブエノスアイレス」や「花様年華」などのスチールも務めているカメラマン、昔ヒルズに「ウィン・シャ展」見に行ったので、ここも超テンションあがりました。ちょっとグロが苦手…という人もここらへんのワードがささったら、観て損はないと思います!

そして、このパン・ホーチョン監督、「ドリーム・ホーム」が日本初公開(東京国際映画祭などでは上映)ということで、それを記念して過去作品のリバイバル上映をやってるんですけど、やばいです。天才すぎます。今のところ、「ドリーム・ホーム」「イザベラ」「ビヨンド・アワ・ケン」と3作品観たのですが、相当に好みすぎて、全部完璧で、やばいです。今、パン監督に夢中!

*****
【追記】この映画、公開後に監督と主演のジョシー・ホーがもめて、訴訟とかになったみたいですけど、ジョシーが「もっと残酷にしろ」と言ったんですって。すごいなw
(引用) 『ドリーム・ホーム』 - 真魚八重子 アヌトパンナ・アニルッダ

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かっけー写真。

ブラック・スワン

観た。

「ブラック・スワン」
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ナタリー・ポートマン、ミラ・クニス共演の心理スリラー。ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。

怖い映画は、そこそこ観ているつもりで、慣れているつもりだったのだけど、すごく怖かった。ナタリー・ポートマンの姿や映画のイメージから、モードなイメージを抱いて鑑賞すると痛い目にあう映画。実際、、初日に鑑賞して(感想だいぶ遅れて)、映画館は女子率高かったんだけど、「ひっ」みたいな小さい悲鳴とかも聞こえてたなあ。私も何度もビクってしました。驚いて。

が、作品としてものすごく面白く、今年の暫定No.1に選ぶ人が多いと思われる抜群のクオリティでした。ナタリー・ポートマンをはじめ、役者陣がハマリすぎ、熱演すぎ。

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あらすじだけ読むと、「自分と正反対なタイプのライバルとの対決、そして焦燥」って感じにストーリーを想像するんだけど、結局敵はそこじゃない。

この映画に関しては、観た人と「あれってこういう事だよね?」と話した時に「あー、そうだね」って解釈を共有し合えるパターンもあれば、「え。最初からそう思って観てたけど?」って言う人もいるので、何がネタバレかよく分からないのだけど、ニナがどんどん自らの妄想にとりつかれていく描写が、とても素晴らしかったです。

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ライバル役の、ミラ・クニス(sexy!)とニナの対比、そして痩せ過ぎウィノナ・ライダーのヒステリック具合も良い。↑嘘みたいだろ?ウィノナ・ライダーなんだぜ?この写真。

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色々ある前のウィノナ。oh…。や、「ブラック・スワン」では素晴らしい演技してるんですけどね。

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トゥシューズをぎゅうっと履いて、つま先でギシギシと床を踏みつける、もともとバレエが持つストイックさと痛々しさと美しさよ。ママに異常に過保護に育てられていて息がつまるほど干渉されている日々、恋愛もしたことが無い、食事も相当に節制している。バレエに全てを捧げながらも、自信が無く、真面目でつまらない人間だと思われているし、自分も気付いている。

そんなニナに訪れるラスト。「あまりにも可哀想だ」とか「最後には救済を」という感想が出るのも分かります。だってあんなに一生懸命だから。でも、私的にはこのラストは完璧だと思っているし、この結末だからこそ、胸が震えるほどの感動を味わえたのだと思っています。同じ監督の「レスラー」もそうだし。

“自分が想像できるくらいの痛描写”(タンス小指描写と名付けよう)と、気まずいエロシーンも多く、予告編を観て「ぐ…」と思う人はやめておいた方が良い映画だけど、私はDVDが出たら何度か観たいです。

「シネマハスラー」での「ブラック・スワン」評(こちらmp3.にとびます)が面白くて、色々確かめたい事もあるし。

散歩する侵略者(劇団イキウメ)

舞台というのは公演期間が短いので、観終わった後に感想をブログに書くことをしていないのですが(そもそも年に4本くらいしか観ない)、先日行ってきた舞台「イキウメ」の公演が良かったので記録しておきたいと思います。

「散歩する侵略者」
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日本海に面した小さな港町。
大陸に近いこの町には同盟国の大規模な基地がある。
この国にとって戦略的に重要な土地だ。
加瀬真治は、地元の夏祭が終わると性格が一変していた。
今までの記憶を失くし、町の徘徊を始める真治。
夫を介護しなければならなくなった妻の鳴海は、新しい生活に戸惑う。
町に事件が起きる。
それは老婆が息子一家を刺殺した後、自殺するという凄惨なものだった。
同じ頃、海岸線では町の人々が奇妙な光を見る。
そして、真治は鳴海に告白をする…。

劇団イキウメの存在は、演劇好きの方から教えていただいて、昨年「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」を観て知りました。

そしたら、なんと後から偶然にも会社の先輩の幼馴染が所属俳優さんだという事が判明し、今回の「散歩する侵略者」のチケットも、お願いしてとっていただきました。(※ナカジさんありがとうございました!)

もともと演劇に明るくないので、全くの初めてだった「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」がとても面白く、年末に主催の前川大知さんが演出を務めた、「抜け穴の会議室〜Room No.002〜」も観にいったもので、どうしても今回も観たく、でも立ち見が出る大盛況という事だったので、本当観にいけて良かったです。

TBSラジオ「宇田丸のウィークエンドシャッフル」で、宇田丸さんやスタッフが大プッシュしていたみたいですね。

全体的にSF(すこし・ふしぎ)で、物語の中盤までは謎だらけ。そして最後には感動させられて、最初から最後まで素晴らしいストーリー展開で、ちょっとびっくりするほど面白かったです。

3日間行く不明で、帰ってきたら性格が一変し、子供の様になってしまったサラリーマンの“真ちゃん”に一体何が起こったのか、何で変わってしまったのか、説明が一切されない為、観客側は奥さんに共感し、恐怖と苛立ちを感じる。

だんだん謎が解けてくるのだけど、その“分かってくる”スピードが、劇中のキャラクターと観客がほぼ同時というのも面白い。「これは何なのだ、彼は何者なのだ」というのが、「こういうことか!」と分かっていく瞬間が、隣にいるお客さんと共有できた感じがして、これは演劇でしか味わえない幸せな感覚だと思いました。

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前川さんと黒沢清監督の対談が載っていたので、思わずシナリオも購入。
これから読んでみます。

“ライフレシピ”を一緒に育てる!nanapiでレシピを書いてみた

簡単夜食レシピやFacebookの便利な使い方、恋愛テクニックなど、ジャンルを問わず生活に役立つ“ライフレシピ”を共有するサイト「nanapi」。

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キーワードを検索すると、基礎の基礎から応用編まで様々なライフレシピが見つかる為、私は今まで「クックパッド」や「@コスメ」と同じ様に見る専門で使っていました。しかし、個人が持っているノウハウをみんなで共有するという思想や、そして堅いルールが無く、あくまで楽しく!というサイトのイメージがいいなあと思い、いくつかレシピを公開してみました。

シンプルなインターフェイスや、ライフレシピを書く時に常に右カラムに文法が載っていたりと、使いやすいポイントはいくつかあるのですが、特に「自分の記事が他のユーザーに編集される」という機能が良いと思いました。

■自分の書いた文章に反応があると嬉しい(無いと寂しい)

気軽につぶやけるtwitterはともかく、BlogやFacebookに文章を書いた時、何も反応が無いとやっぱり寂しいもの。コメントやイイネ!がついたり、直接「あの記事読んだよ」と声をかけてもらうと嬉しいし、もっと書こう!ってモチベーションもアップします。

nanapiにも、「いいね!」や「お気に入り」など記事を評価する機能がもちろんついています。でも一番特徴的なのは、自分の記事が他のユーザーによって編集される所。(そして、自分も他のユーザーの記事を自由に編集できる)

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↑私が書いた記事なので著者コズエ、それを他のユーザーさんが自由に編集してくれます。

自分の書いたレシピに足りていなかった要素を足してくれたり、大事な分かりやすく太字で強調してくれたり、“第三者の目”が自分の書いたレシピをバージョンアップしてくれます。

■自分で書いた文章が、どんどんよく育っていく

ライフレシピを書いているのは、一般のユーザー。プロのライターでは無いので、客観的な文章を書くのはなかなか難しい。でも、他のユーザーが編集を行う事で著者も気付かなかったポイントに気付く事が出来て、レシピがどんどん育っていきます。

私自身、実際にいくつかライフレシピを書いてみて、「いいね!」やビュー数、お気に入りに登録される以外にも「編集される」という嬉しさを知りました。この、簡単に記事が書けるシンプルなインターフェイスと、他のユーザーと記事を作っていく楽しさがnanapiの魅力だと感じてます。

しかも、自分の記事を編集してくれたユーザーに訴求力があれば、さらにライフレシピへ訪れる人が増えるかもしれないというオマケ付き。編集履歴は全て残るので、「ちょっと自分の書いた意図と違うな…」と思った時には元に戻せるので安心。

逆に他のユーザーの記事を、私が編集して、それに「いいね!」がついたり反応があると嬉しいという楽しさもあります。今はどんな記事がユーザーにウケるのかを目下研究中。「人にわかりやすく簡潔に伝える」という特訓にもなるので、文章を書く練習にもオススメです。

*****

私が投稿したライフレシピ一覧。

「ドラえもん通」をアピールできる5つの“ネタ” (趣味)
日本のゲームサウンド満載!映画「スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団」7つのポイント (趣味)
「僕を食べて魔法少女になってよ!」簡単に出来るキュゥべえ弁当 (育児・生活)
5分で自分のFacebookページを作る方法 (仕事・学習)
カラオケで使える! AKB48の“ミックス” (趣味)

ちなみに、キュゥべえはこちらのアニメのキャラクターです。私はマミが好きです。

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さよなら渓谷(吉田修一)

読んだ。

さよなら渓谷 (新潮文庫)
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きっかけは隣家で起こった幼児殺人事件だった。その偶然が、どこにでもいそうな若夫婦が抱えるとてつもない秘密を暴き出す。取材に訪れた記者が探り当てた、 15年前の"ある事件"。長い歳月を経て、"被害者"と"加害者"を結びつけた残酷すぎる真実とは――。『悪人』を超える純度で、人の心に潜む「業」に迫った長編小説。

吉田修一、奥田英朗、角田光代(今をときめく3人!)が書く、現代ミステリって本当すごく恐くて、奥田さんだったら「邪魔」、角田さんだったら「森に眠る魚」が特に好きなのですが、この「さよなら渓谷」もあらすじを見てすぐに飛びついてしまいました。

結論からいうと、先に挙げた2つの本や、吉田さんで言うと「パレード」ほどは面白くなかったかも。ラストの展開が読めるのがちょっと早かったかな。なので、ストーリーの結末というか、あらすじで言う所の“残酷すぎる真実”に期待しすぎると、ガッカリしてしまうかもしれません。

ただ、主人公の若夫婦の隣人であり、物語の発端となる事件を起こす女の描写がすごく良かった。自分の子供が死んでしまって、最初は「悲劇の母親」と世間に思われていたのに、疑わしい部分が次々出てきて徐々に「容疑者」として見られていくのですが、私が普段テレビのニュースを見ていて感じる事がとても良く表現されていたと思う。

マスコミに叩かれ、毎日毎日家の前には報道陣がつめかけ、近隣住民にも「自分の子を殺したアバズレ」として好奇の目で見られている。そんな、考えるだけでうんざりする様な状況にあって、女の服装や化粧がどんどん派手になり、美しさが増していき、マスコミに敵意を現しながらも「どこか嬉しそう」であるということ。

よく、テレビのニュース(特にワイドショー)で、殺人事件発生後にインタビューした近所の人(もしくは被害者の家族とか)が実は犯人で、いけしゃあしゃあと事件について話しているVTRが逮捕後に流れる事がありますが、私はそれを食い入る様に見てしまうことがあります。文字にすると、稚拙に感じてしまうけど、悪のオーラみたいなものが体からにじみ出ていて、それに思わず引き付けられてしまうのだと思う。(もちろんそれは全く素敵な事では無い)

そういう点で、バッシングとはいえマスコミに注目され、カメラを向けられ、注目を集めている事で活き活きとしてしまっている女の哀しさが、私がこの小説で一番恐いと感じた所です。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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