推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

2011年05月

ブルーバレンタイン

観た。

「ブルーバレンタイン」
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仕事が芳しくないディーンと、長年の勉強の末に資格を取り、病院で忙しく働くシンディの夫婦は、娘のフランキーと3人暮らし。2人はお互いに相手に不満を抱えていたが、それを口に出せば平和な日常が崩れてしまうことを恐れていた……。夢や希望にあふれていた過去と現在を交錯させ、2人の愛の変遷を描くラブストーリー。主演はライアン・ゴズリングと、本作で第83回米アカデミー主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズ。

町山智浩さんや、映画好きのソウルメイトのオススメもあり、勇んで観て来ました。前評判どおり、とてもよかったです。ラブストーリー。でも全く甘くないんだぜ。

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男女の出会いから結婚という楽しい期間、そして、それが崩れていく瞬間がミックスして描かれている。映画が好きな割にはろくなレビューが書けない私は「同時進行する表現が素敵だった」という、感想文しか言えそうになかったのですが、ライムスター宇多丸の「シネマハスラー」、「ブルーバレンタイン評」(※こちらmp3に遷移します)を聞いたことによって、色々と納得することが出来ました。

ただ単に、一つのカップルの始まりと終わりをミックスしたとしても、それなりに面白いトークにはなるのかもしれない。それは、「人間は誰でも一度は面白い小説が書けるはずだ」という考えと似ていて、恋愛の始まりの楽しさと、恋愛の終わりの苦しさを味わった事のある人はほとんどで、どうしても共感が出来るからだと思う。

けれど、映画にするというのはきっと違って、それを映画にするからには監督の意思が関わってくる。「ブルーバレンタイン」の上手いなと思った所は、「彼女が彼を好きになった所(部分)」「彼女が彼を嫌いになった所(部分)」がほぼ同じだという事。だからこそ、切ないし、映画を観ているこちらも身がつまされる想いを抱くのではないかと。

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この2人の会話、喧嘩がとにかくリアル。実際にこの俳優さんに共同生活をさせたそうですが、それだけあって演技感が全く無い。とんでもなく悪趣味なラブホテルのシーンにいたっては、私まで息がつまりそうだったゼ…。シンディ役のミシェル・ウィリアムズ、すごく良かった。ディーン役のライアン・ゴズリングは「ラースとその彼女」と雰囲気違って、ユージン・ハッツみたいでだらしな格好良かった(だらしない+かっこいい)ね。

そんな天使の様に美しかった、シンディが現在はとてもイライラした主婦に変化していること、オシャレだったディーンは、頭も薄くなり、だっせぇトレーナー着て、若い時には素敵に感じた自由さが年齢を重ねることで得体が知れないものに変化している。演じている年齢は同じなのに、こうやって老け感を出せている俳優さん、すごいと思います。

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この映画は絶対に観た後、語り合いたくなってしまうタイプの作品で、これは男女でも大きく意見が異なるところだと思うのだけど、個人的にはシンディが勤め先で上司に言われた一言が一番ガックリ来ました。ショック。

そしてそして、私がこの映画で一番しびれたのがエンドロール。嗚呼。観ているこちらまで疲れてしまうほど末期に来てしまった男女のやりとりを観たあとで、この様に美しい映像を見せてくる演出、すごい! 私自身が未婚なので、心から共感できているわけでは無いのでしょうけど、色々と考えてしまう映画でした。

今、結婚されてて(もしくは同棲などしていて)悩みがあって、具体的に言えば「昔は良かったけどねえ…」なんて感じてしまっている皆さんがみたらどんな感想を抱くのか、ぜひ聞いてみたくもあるのです(恐いケド)。

*****
追記。主人公ディーンが腕にしているタトゥが絵本「おおきな木」の絵だったところもよかったです。
優しい男です。

GANTZ PERFECT ANSWER

観た。

「GANTZ PERFECT ANSWER」
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奥浩哉の人気コミックを、二宮和也、松山ケンイチ主演で実写映画化した2部作の完結編。黒いナゾの球体「GANTZ(ガンツ)」に召還され、異形の敵“星人”を倒すことを強いられる玄野と加藤の戦いは続いていた。戦い続け、生き抜く決意をした玄野と、暴力に支配された世界を嫌悪し、戦いを否定する加藤は対立するが、勝ち続けなければ脱出できないという理不尽な世界に対し、2人はある決断を下す。

実写化映画「GANTZ」の後編。前編の感想はコチラ。

不満は残りながらも、前編がそんなに悪くなかったので、この後編は相当失速した感がありました。

前編の「仏像編はダメだったけど、ねぎ星人編結構イイジャン!」みたいな驚きが全然無くて、
GANTZ実写化の“良心”西クンの存在感も無いし、オリジナルキャラクターの重田正光も全く意味無かったし…。

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30歳以下の中では、個人的にダントツ日本一だと思う俳優・山田孝之の無駄遣い!
彼の持つオーラや雰囲気、演技力で、「このキャラはこの後どう絡んでくるんだろう?」って期待してしまうけど、その期待自体を最後にはあっさり砕かれるという、ションボリな展開でした。山田さんは、ヤングジャンプのインタビューで「オニ星人を演じてみたい」と言ってたけど、そっちのが観たいワ。

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「クローズZERO2」でも、その怪しさが活きてた綾乃剛と、黒服集団は唯一よかったかも。アクションも。エンドロールで知った「黒服スタイリング・伊賀大介」の意味は不明だが。

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前編もそうだけど、結局多恵ちゃんの健気さ、2人の恋模様に逃げてるところが、中途半端に感じてしまった。逃げている途中で、鈴木さんが多恵ちゃんを打とうとして…、ってところはちょっと見応えありました。「カイジ」の石田のおっさんもそうだけど、気弱なサラリーマンが見せる捨て身の勇気に弱い。

けれど、途中でアッサリ(色々あったのかもしれないけど、アッサリに見えてる時点でダメ)100点貯まってる鈴木さんとか、多恵ちゃん打つ気マンマンで活き活きしてる西クンが、簡単に死んじゃうところとか、原作ファンとしてキャラクターへの愛情を感じられませんでした。残念。

一番不満なのが、やっぱり「何で玄野なのか」っていうオチです。たとえば、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の主人公まどかは、他の魔法少女に比べると一番普通っぽい子なんだけど、なぜ彼女の周りで様々な出来事が起きるのか。これが最終話から1、2話前から明らかになっていったんだけど、「GANTZ PERFECT ANSWER」にはそれが無かったかな、と。

でも、漫画の方もね、相当わけわかんなくなってるから。こっちもどうにかしてほしいなー。

エンジェルウォーズ

観た。

「エンジェルウォーズ」
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「300 スリーハンドレッド」「ウォッチメン」のザック・スナイダー監督が描くアクションファンタジー。精神病棟に閉じ込められた少女が、現実から逃避するためにつくり出した鮮烈なバーチャル世界で、仲間たちと自由を勝ち取るための戦いに身を投じていく姿を描く。エミリー・ブラウニング、ジェナ・マローン、バネッサ・ハジェンズ、アビー・コーニッシュ、ジェイミー・チャンら若手女優が豪華出演。

主に日本のゲーム・漫画・アニメなどのポップカルチャーを指す言葉である「クールジャパン」という表現自体が、インフラをおこし、「ニホンダイスキデス!」と言ってる監督さんとかアーティストって今結構ざらじゃね?って思っている人も多いはず。私も最近感じてた。

でも、私は「外国の人が明らかに勘違いしている日本らしさ」の描写を見るのが結構好きなので、この映画は「サッカーパンチ」時代から結構チェックして、密かに楽しみにしてました。

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アメリカでは「ビスチェ付きのエアベンダー」なんて悪口言われて(それはいくらなんでも、この映画に失礼!)、大ゴケしたとかなんとかで、しかも邦題が「エンジェルウォーズ」ってくそだっせーなと思っていて、なんだかんだ初日に観たりする意気込みが消えてしまい、結局観るのが遅くなってしまいました。でも、これって逆に部屋でDVD観ててもむなしくなるタイプの映画だと思ったので、劇場鑑賞は自分の中では必須。なんていうか、一応観れてよかったって感じw

「キル・ビル」のゴーゴー夕張ちゃんもそうだけど、美少女×武器の組み合わせって、やっぱりカワイイし面白いしポップですよね。ベイビードールちゃん、かわいかったー。(5人の中ではロケット派だけど)

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言われている通り、特にストーリーは無いので「トロン:レガシー」の様に、映像の格好良さを楽しめればいいんじゃないでしょうか。ベイビードールの「観るもの全てを惹きつけるというダンス」に関しては、「BECK」方式で全く移さず、それこそ「想像せよ」というのが繰り返されるのがイライラしたりもしましたが…。

音楽、ヨカッタ! これはサントラ欲しくなっちゃうレベル。でも、ジャケットを観られて「この子、エンジェル・ウォーズが大好きなのね」って思われたら嫌なレベル。

期待してなかっただけに、結構楽しめたし、観た人と色々話したくもあるけど、「好きな映画はエンジェル・ウォーズかな」って言われたらちょっと仲良くはなれないかも?w

「好きな美少女戦闘系、トンデモ映画、かつ作家性がある映画は?」っていう問いに対しては全然アリ。でも、「好きな映画は?」でこれは絶対ないだろうなー。でも、女の子がカワイイからそれでよしとしましょうよ。ねえ。

キッズ・オールライト

観た。現状、私的に今年ベスト1です。最高!

「キッズ・オールライト」
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アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロら豪華キャスト共演のファミリー群像劇。ニック(ベニング)とジュールス(ムーア)は結婚して、南カリフォルニアで暮らすレズビアンのカップル。彼女たちにはそれぞれ子供がいて、家族4人で暮らしているが、ジュールスの息子で弟のレイザーは、大学進学で家から出てしまう姉のジョニに頼み込み、自分たちの父親(人工授精の精子提供者)を一緒に探しだそうとするが……。共演にミア・ワシコウスカ、ジョシュ・ハッチャーソン。監督は「しあわせの法則」のリサ・チョロデンコ。


まずオープニングの映像から惹きつけられました。最初にスケボーや車などが流れる道路が映って、手描きっぽい文字で「Kids allright」。
私はもともと手描きっぽいタイトル文字にすごく弱いのですが(「かいじゅうたちのいるところ」とか「イングロリアス・バスターズ」とか)。この映画もグっときました。

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物語は、簡単に言うとレズの夫婦と2人の子供がある出来事を通して、家族の絆を再確認するっていうものなんだけど、この家族のあり方がすごく面白かった。アネット・ベニングとジュリアン・ムーアが名演技すぎる。特にアジュリアン・ムーアは「シングルマン」もそうだったけど、すごく“女っぽい”。Tシャツデニムでも。

舞台が南カリフォルニアってこともあるかもしれないけど、全体的に映像が明るくて軽快。
この季節にピッタリ。同性愛、精子バンクなどともすれば重くて説教臭い映画になりそうだけど、全然そんな事なくて、コメディシーンも多かったです。

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普通の夫婦でも子育てってものすごく難しいと思う。なのにこの2人、すごい良い子。
「アリス・イン・ワンダーランド」は普通だと思ったけど、ミア・ワシコウスカがかわいかったなー。
アリスの時もそうだったけど、相当な“困り顔”女優さんですよね。

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無事生物学上のお父さんと出会ってから、家族のかたちが少しずつ変わり始める。
このお父さん、自由でラテンな感じですごく格好良いんです。だから子供達もあっという間になついて夢中になる。けれどそれは本質的な家族ではなくて、ある事をきっかけに子供は離れていってしまう。

最近「劇場版神聖かまってちゃん」やら「ブルーバレンタイン」やらで、父親の問題が描かれたシーンを立て続けに観たけれど、この映画は「劇場版神聖かまってちゃん」と少し似ていて、フラっとあらわれて楽しいことだけを子供に与えて慕われていることに、母親がすごいイライラしてる。

特に、アネット・ベニング演じるニックが、この男に対して敵対心を抱いているんだけど、口うるさくも思うけどそれが母性なんだなとも思った。その点では、ニックの方が稼ぎ頭で男っぽい雰囲気なのだけど、彼女の方が母親役だなーって感じた。最初にジュリアン・ムーアが女っぽいと書いたけれど、ジュールスの方が家族の中では父親タイプかもしれないな。

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とにかくすごく面白かったので、全然感想がまとまらず、もしかしたらもう一度観るかもしれません。
ちょっとでも興味があったら絶対に観て欲しい映画です。素晴らしかった。笑えるし、爽やかだし、家族に会いたくなる。

100,000年後の安全

タイムリーな話題で公開がはやまった!ということで鑑賞。
お恥ずかしながらこの映画の存在を知らなかったのですが、教えてもらって
今このタイミングで観なければ、いつ観るんだろうという映画でした。

「100,000年後の安全」
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フィンランドに世界初の高レベル放射性廃棄物の処分場建設が決定された。固い岩を削り地下400メートルに建設されるその施設は、10万年間の保持が可能だという。しかし、裏を返せば10万年後まで放射性廃棄物が残るということに危惧を抱いたドキュメンタリー作家のマイケル・マドセンは、10万年後の人々にその安全性を伝えることができるのかを検証するため、建設中の調査施設に潜入する。


放射能の安全について、監督自ら取材にいって、調べて、観客に問いかける問題。
かなり重いテーマを扱っていて、映画の雰囲気も終始重いのですが、放射能の安全うんぬんということよりも
皮肉っぽい物の言い回しやカメラワーク、話の展開の仕方が良かったです。
“面白い”という言い方は正しくないのかもしれないけど、面白かった。

まず、そもそも私の放射能への考え方、というか姿勢について。
今回の震災で原発が大変なことになった時、パニックを起こす人がいる中(パニックになるのはしょうがないと思うし否定はしない)、一緒にパニックになることは無くて、割と普通に過ごしてました。この辺は、単純に無知って事もあるし、私の図太い性格の影響が大きいと思う。

ただベクレルだかベクシルだか言われてもよくわかんないし、福島の人達は気の毒に思うし、
でも、電気作るってことは莫大なエネルギーいるしなあ、とか全然明確なスタンスをとれていない感じ。

無色透明で、わけわかんないくらい強力なパワーを持って、かつ人体に影響を与えるエネルギーってやっぱ恐いとは思う。それを映画の中で“人類が新しく手に入れた炎”といったニュアンスで監督が話してるんだけど、これは上手い表現だと思いました。

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映画の中で、監督がインタビューする研究者達は「この処分所は絶対に安全だ」と話す。「10万年後、もし掘り返されても、触れることはないだろう」と予測している。監督の編集の意思ももちろんあるのだけど、その話しぶりは真面目であればあるほど、どこか滑稽で、「でも、あなた達は10万年後に生きてないですよね?」って多くの人は感じるんじゃないでしょうか。

10万年後に生きる人々に、埋まっている物の危険性を伝える為に、世界の主要言語で警告文を書き、ガイコツやバッテンマークなど危険を感じる絵文字を記しているんだけど、10万年後でもガイコツが危険なイメージを持ってるとは限らないしなぁ、このへんのやりとりが映画の中でも一番シニカルであり、超重要な議論が“たられば”だけで進んでいくのが本当に恐ろしいと感じました。

この映画を観ている時、ずっと頭に思い浮かんでたのが、星新一の「おーい でてこい」。

(引用)とある台風の後、近郊のある村はずれの小さな社ががけ崩れで流された。そこに直径1mくらいの小さな穴が残されていた。底は見えない深い穴だった。
 「おーい でてこい」と若者が穴に向かって叫んでみたが、そこからは何の反響もなかった。ばちが当たるから止めとけと老人が止めたが、若者は勢いよく石を投げ込んだ。

 社を立て直すのに穴を埋めることになった。学者が調査しても穴の深さは分からない。とにかく埋めよ、ということになった。利権屋が現れ、”穴をくれ自分が埋める、社は別のところに建てる”、と申し立て、集会所つきの社をたて、穴埋め会社を作った。

 穴は何でも受け入れてくれた。原発の廃棄物、機密書類、都会の汚物・・・なんでも投げ入れた。穴は都会の汚れを洗い流してくれた。

 ある日、建築中のビルの高い鉄骨の上で一仕事終えた作業員が一休みしていると、どこからともなく「おーい でてこい」と叫ぶ声を聞いた。気のせいかな・・・。と、声のした方向から小さな小石が彼をかすめ落ちていった。彼は気がつかなかった。


ねらわれた星 (星新一ショートショートセレクション 1)
ねらわれた星 (星新一ショートショートセレクション 1)
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隣の女(向田邦子)

読んだ。

「隣の女」
隣りの女 (文春文庫)
隣りの女 (文春文庫)
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「一生に一度でいい、恋っての、してみたかったの」―平凡な主婦が飛び込んだNYへの恋の道行を描いた表題作、嫁き遅れた女の心の揺れを浮かび上がらせた「幸福」「胡桃の部屋」、異母兄弟の交流を綴った「下駄」、絶筆となった「春が来た」の五篇を収録。温かい眼差しで人間の哀歓を紡いだ短篇集。

少し前に読んだ本だけれど、その時の感覚をまだ全然覚えてる。色っぽい小説。
それぞれ短い一話の中に、ドラマがぎゅっと凝縮されていて、展開がすごかった。
特に好きな話は表題「隣の女」と、「春が来た」。

「春が来た」は向田邦子最後の作品の様ですが、女の人の見栄と、弱いところと、強いところがほんの10数ページで表現出来るってすごすぎます。

昔の女性って格好良いなーと思う反面、現在の女性にもそういう一面が残っていたりするものなのか、
そもそも向田邦子が女性の芯の部分を見抜くのが得意なのか。

どの話も切ないのだけど、それは泣ける切なさではなくて、はっとする切なさだった。
読み終わった後にしっかり姿勢を正したくなる、素晴らしい小説。最高。

劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ

観た。

「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」
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口コミでロングランヒットを記録した「SR サイタマノラッパー」の新鋭・入江悠監督が、人気バンド「神聖かまってちゃん」の名曲群をモチーフにオリジナル脚本で撮り上げた青春群像劇。プロの棋士になるという夢をもつ女子高生・美知子は、周囲の今時の高校生たちと自分とのギャップに悩んでいた。ある時、彼氏に「神聖かまってちゃん」のライブに誘われるが、その日はなんとか出場を勝ち取った将棋のアマチュア王座決定戦の決勝と重なっており……。

神聖かまってちゃん、自体は楽曲が全然好みじゃなくて、ずっとノータッチだったのですが、
入江監督気になるし、評判良いしって事で鑑賞。素直にすごく面白かった。
そもそも、かまってちゃんのドキュメンタリーじゃないから、かまってちゃんの楽曲を一曲も知らなくても、
かまってちゃん自体を知らなくても全然関係ない映画なんですよね。

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レベルは違うにせよ、主要登場人物はみんな切羽詰ってる。シングルマザーで生活きつくて、子供も問題起こすし、夜の仕事もそろそろ年齢的に限界だわっていう、森下くるみさん演じるかおり。将棋のプロになりたいっていう夢と、親の「大学に行け」という説教、彼氏のこと好きだけど何か自分を分かってくれなくてイライラしてる、二階堂ふみさん演じる美和子。この2人は、環境も境遇も悩みの種類も全然違うけど、切羽詰ってるのは同じ。

常々、私は10代、特に高校生に対して「うちらが思っているほど、彼らは子供じゃないし、下手したらうちらよりも色々考えてる」と考えているので、この2つのキャラクターが同時進行で見れた事がすごく面白かったです。だって、普通に考えたらかおりさんのが切羽詰ってる。美和子には言うても未来がある。でも、そんな事実際の生活では関係ないし、美和子だってめちゃくちゃ悩んで絶望してんだよ、あるてぃめっとレイザー!

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実際にかまってちゃんのマネージャーであり、劇中で本人役を演じてるツルギ君もすごく良かった。演技じゃないよね、あそこまで行くと。ライブ当日に、楽屋とか裏方でバタバタしている描写もグっときた。

で、かまってちゃんで金儲けしようとする、レコード会社と代理店の人達の登場シーンが笑えたんだけど、彼らも別に悪人なわけではないんだよね。それが仕事なのですから。そういう点でツルギ君が善でレコード会社と代理店が悪っていう、単純な感じになっていない所が好感持てました。

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別にかまってちゃんっていうバンドがいたって、今の悩みが解消されるワケではないし、生活が楽になるワケではない。けど、今この瞬間、夢中になれる音楽がある。「これが若者の今だ!!」みたいな、自己陶酔した感じが全く無く、音楽映画としてもかなり面白かったです。

一番好きなシーンはかおりさんのランチ合コンのところ。レコード会社の人ってあんなチャラくないよなあw

イヴ・サンローラン

観た。

「イヴ・サンローラン」
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フランスが生んだ世界的ファッションデザイナー、イヴ・サン=ローランの姿に迫ったドキュメンタリー。ブランド「イヴ・サンローラン」が成功した背景と、名誉や栄光の裏側にあったサン=ローランの苦悩を、公私にわたってパートナーだったピエール・ベルジェが語る。1998年サッカーフランスW杯のセレモニーで「イヴ・サンローラン」の衣装を身にまとった300人のモデルが登場する映像や、10万点以上の貴重なアーカイブから厳選された写真・映像、サン=ローランの肉声などを多数初公開。

成功しているファッション・デザイナーはなぜ、みんながみんなゲイなのか。
私は同性愛は全然自由だと思っているし、相手選びの母数が圧倒的に少ない中、永年添い遂げる恋人がいることは素晴らしいと思う。でも、本当ここまで全員がゲイだと、ゲイとデザイナーの因果関係について、ついぼんやりと考えてしまいます。

本作は、イヴ・サンローランの歴史を貴重な写真や映像と共に振り返り、当時の彼が抱えていた苦悩を恋人が語るという2つの流れで進んでいく映画。映画のトーンが暗いのと、2人が暮らしていた家の家具や美術品をオークションの為に業者がどんどん搬出していくシーンが随所に挟まれているので、全体的に喪失感が漂っていました。

正直に言いますと、私映画で寝る事ってあまり無いんですが、これは中盤寝てしまいました…。
それほど、とても静かな映画です。

こちらドキュメンタリーなので、「シャネル関連」の映画の様なドラマも無く、同じドキュメンタリーの「ファッションが教えてくれること」の様なエモーショナルな展開も無いので、なかなか万人に受け入れられない映画だとは思います。

ただ、1998年サッカーフランスW杯のセレモニーで「イヴ・サンローラン」の衣装を身にまとった300人のモデルが登場する映像は圧巻。イヴもすごいけど、この演出考えた人がすごすぎる。

ガリバー旅行記(3D)

観た。

「ガリバー旅行記」
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ジョナサン・スウィフトによる同名古典小説を現代に置き換えて3D映画化したジャック・ブラック製作・主演の冒険コメディ。ニューヨークの新聞に寄稿する旅行ライターのレミュエル・ガリバー(ブラック)は取材でカリブ海のバミューダ諸島に行くことに。だが、その途上で巨大な竜巻に巻き込まれてしまう。気がつくとガリバーは浜辺に打ち上げられ、体長15cmほどの人間たちに縛り上げられていた。監督は「モンスターVSエイリアン」のロブ・レターマン。


主演、ジャック・ブラックが製作に入ってる事もあって、ジャック・ブラックによるジャック・ブラックの為の映画であり、彼が好きならば楽しめるだろうし、嫌いなヒトは絶対グッタリしちゃうだろうし、好きでも嫌いでもないヒトにとってはどこか物足りない映画の様な気がします。

ジャック・ブラックを特に俳優として認識していなかったとしても、ストーリーの面白さ、ライブシーンのアツさに絶対盛り上がれるだろう「スクール・オブ・ロック」とは違って、物語自体の楽しさが少なかったかなあ、と。

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ダメなくせに口だけは達者な男を演じさせたら、誰も叶わないだろうジャック・ブラック。(「スクール・オブ・ロック」も「僕らのミライへ逆回転」も「テネイシャスD」も全部そうじゃねえか!)今回も、ビッグマウスのへたれを好演。アメリカ映画らしい、同僚からの嫌味「彼女をデートにも誘えないくせに」も大健在。アメリカ映画らしすぎるアメリカ映画、ずっとベタ。

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ガリバーが巨大な竜巻に巻き込まれてしまった後にたどりつく“リリパット王国”についての突っ込みどころは追いておいて(この映画に細かく突っ込むのはヤボっていうか無粋っていうか真面目に考える映画ではない)、他の世界と触れ合った事が無い、小さな王国っぽさ、お姫様のお姫様っぽさは良かったと思う。「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイのライバル役、エミリー・ブラントかわいかった。

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ジャック・ブラックは相変わらず歌うまいし、動けてモテるデブなんだけど、「今から面白い事言いまっせー!」的ドヤ顔度がMAXの映画なので、しつこい様だけれど、アレルギーの人は観ない方が絶対懸命! ライムスター宇多丸が言うところの「べろべろばー笑わせ」が本当にすごいので。子供には抜群に面白いかも? あ、ちなみに3D効果は全然ありません。予告の「カーズ2」の3Dを観れたのはよかったけど。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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