ダーティ・ワーク
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ギタリストの熊井望は、自分をもてあましながら28年間生きてきた。音楽以外に興味はなく、唯一思いを寄せるのは、昔の友人。自分の分身のようにかけがえのない存在だったが、今はもう会えない。彼女が取り返しのつかないことをしてしまったから―。様々に繋がる人間関係から見えてくる、ささやかな希望。ローリング・ストーンズに乗せておくる、不器用な若者たちのもどかしくも胸に迫る物語。


美しく、サラっと読めるけど死にたくなる小説。
最近は角田さんより、 絲山さん気分だなあ。すっかり。

1つ1つの短編が、最後に絡んでいくっていう手法は、
他の小説でもたくさん見ますが、これは途中までそれに気付かず
「あ!」って驚きがあって良かったです。

伏線が、途中で「こうなるんでしょ」とサトラレること無く、
「ああ、だからこうだったのか」と何度も前ページに戻りたくなる小説です。

現代的、と言ってしまえばそれまでだけれど、すごく現代的。
みんな孤独な様でいて、ちゃんと大切な誰かがいるんですね。かといって、手放しで喜べるハッピーエンドでも無く、「でも生きていくんだよ」って感じの大人なお話でした。