推敲しない言葉

本・映画・音楽の、推敲しないそのままの記録。

推理作家ポー 最期の5日間

観た。

「推理作家ポー 最期の5日間」
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「モルグ街の殺人」「黒猫」などで知られる推理作家エドガー・アラン・ポーの最期の日々を、史実とフィクションを交えながら描くミステリーサスペンス。1849年、アメリカ・ボルティモアで猟奇的な殺人事件が起こる。現場に駆けつけたエメット刑事は、この事件が高名な作家エドガー・アラン・ポーの小説「モルグ街の殺人」に酷似していることに気づく。警察は、酒びたりで荒んだ生活を送るポーを有力な容疑者として捜査を進めるが、ポーの作品を模した第2、第3の殺人が発生。著作を汚されたポー自身も捜査に乗り出すが……。監督は「Vフォー・ヴェンデッタ」のジェームズ・マクティーグ。(eiga.comより引用)

江戸川乱歩は好きですが、エドガー・アラン・ポーの本は一冊も読んだことが無いんです。というか、ポーがどうとかよりも、外国人作家の作品はほぼ読んだことが無い。ライ麦畑とかそういった基礎以外は、カフカとウィリアム・バロウズ(よっ中二病!)くらいしか。

この映画、試写会で観たのですが、好きでも嫌いでも無い、でも自分でお金を出しては観に行かないかな〜という作品でした。決してつまらなくは無いのですが特に思い入れを持てない。ただ、ポーの本にはチャンレンジしてみようと思いましたよ。

あ、予告編なり公式サイトなりを見ると結構女性にウケそうなタイプの作品に見えるし、実際にウケるとは思うんですが、結構グロいシーンがあるので苦手な方はお気をつけて。「SAW」シリーズのどこかに出てきた、振り子で胴体切断。なんて描写もあります。

私は「SAW」シリーズは全て観てるので、このシーンを観た時に「あ、これSAWにも出てきた殺害方法!」って思いました。後日、この作品のスタッフさんにお話を伺う機会があって、そのことを言ったら「アメリカ人にはそれだけポーの小説が体にしみこんでいるんですよ」と言われて、なるほどなーと思った。映画にも出てきますが、ポーの「大鴉」は、日本でいったら「銀河鉄道の夜」みたいに、教科書に載っている詩だそうです。

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と、ポーについての興味はふくらむ一方。肝心の映画はというと、安っぽい描写も無く、トンデモ展開もほとんど無く、キレイにまとめられた映画でした。ただ、悪く言えばそれが何か物足りない原因でもある様な。

ポーを演じたジョン・キューザックは超ハマり役でした。後世に語り継がれる偉大な作家であっても、実際はダメダメな部分がたくさんあったという描写も愉快で。

この物語はもちろんフィクションなのですが、ポーの最期は本当に謎に包まれていること、そしてポーの作品が事件を解決するための重要な要素となっていることから、ポーに知識のある方なら、私とは全く違ってとても面白い映画なのかもしれません(その逆もありえるけど)。

でも、DVDでたまたま借りて観て、あ、意外と良かったな。なんていう掘り出し物感はある作品なので、ミステリー好きの方はどうぞ。

エンドロールの映像は殺人的に物語の雰囲気に合って無かった様な気がするんだけど、あれはなんですかね。

恋に至る病

観た。

「恋に至る病」
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処女童貞喪失の通過儀礼がテーマの中編作品「普通の恋」(2008)で、ぴあフィルムフェスティバル2009の審査員特別賞を受賞した木村承子監督が、同映画祭のスカラシップを獲得して製作した長編デビュー作。恋とセックスにまつわる根源的な疑問を、独特のユーモラスな感性で描き出す。高校で生物の教師をしているマドカは、他人との接触を避け、授業中でも生徒の顔をまともに見られずにいる。そんなマドカのことが大好きな女子高生ツブラは、マドカの姿をイラストにしてノートに書き留めている一方、「死んだあとで誰からも忘れられてしまうこと」を恐れ、「腐らない体」を手に入れるために防腐剤入りの食べ物しか口にしない日々を過ごしている。そんなある日、ツブラはマドカと性器を交換することを妄想するが、ひょんなことからそれが現実となってしまい……。

石井裕也監督の「川の底からこんにちは」も受賞作である、ぴあフィルムフェスティバルのスカラシップ作品。

映画っていうのはマーケティングとかターゲット層とか、流行とかをくみとって大人たちがしっかりデータを集めてそれをもとに作ると思うんですが、こういった「本気で撮りたいものを撮る!」ってパワーで出来上がった映画を観るのは楽しいです。どっちが良い悪いじゃなくて、どっちが好き嫌いじゃなくて。

で、「恋に至る病」は好みの映画ではなかったんですが、ものすごいパワーを感じる作品であり、何より俳優さんたちが全員とてもよかったです。登場人物の名前がツブラ、マドカ、エン、マルって全て「円」なんですよね。こういった名前のこだわりとか、やっぱり熱を感じますよね。

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物語は、影の薄い気弱な生物の先生に恋しまくってる女子高生が、トンデモ妄想をしていてその妄想が本当になってしまうっていうものなんですが、確かにこのトンデモ妄想はお互いの性器が入れ替わるというものであり、トンデモないです。

でも、そんなトンデモ設定以外は割と静かに展開していきます。思春期の恋とか自意識とか。結構切ないです。ツブラとマドカのパートはもちろん、エンとマドカの関わりとかも良かった。佐津川さんと染谷さんはさすがな感じでした。
好きなシーンは、団地のシーンとおにぎりのシーン。あとブログの一番最初の画像の表情かな。この表情とタイミングはすごいです。ドキっとしない人はいないんじゃないか。

無事DVD化するのかがちょっと気がかりな作品ではありますが、ぜひ木村承子監督の次回作も観たいです。あ、音楽はアーバンギャルドなんですけど、病的なくらいポップというねこれ以上ないピッタリなかんじ。



リヴィッド

観た。

「リヴィッド」
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「屋敷女」(2007)で長編デビューしたジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督が、古い屋敷に忍び込んだ少女たちが直面する恐怖を幻想的な映像で描いたフレンチホラー。介護ヘルパーのリュシーは、かつて厳格なバレエ教師として名を馳せ、今は寝室で寝たきりの生活を送る資産家の老婦人ジェセルの邸宅に、秘密の財宝が隠されているという話を耳にする。リュシーは、ボーイフレンドのウィルと悪友ベンを誘い、夜中にジェセルの屋敷に忍び込むが、死んだはずのジェセルの娘アナが純白のバレエ衣装に身を包んで現れ、恐ろしい惨劇が始まる。(eiga.comより引用)

久々のシアターN。ホラーだけど幻想的で美しく、でもちゃんと血も流れるよってな作品でした。ホラーフラグたちまくりの、ベーシックなストーリー展開で結構ハラハラしちゃいました。

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少女の空恐ろしいまでの美しさとホラーの怖さがドッキングした雰囲気。作品トーンで言えば「ぼくのエリ 200歳の少女」みたいな。あとは「箪笥とかですかね。寒い地域を舞台にした作品で、空気も澄んでいて、でも夜の道とかすごい暗くて怖くて、いい雰囲気だったな〜。

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主人公リュシー役の子がめちゃんこ可愛かった。ボーイッシュ巨乳。オッドアイというところも非常に中二心をそそられるという……。

未見なのですが、絶対に観なくてはいけないと思っている衝撃作「マーターズ」なんかもフレンチホラーで、ハリウッドでは絶対作れない様な独特の作風が良いなあと思ってるんですが、本国フランスでは映画館に客が入らないため、ホラー映画の製作にこぎつけるのは困難を極めてるんですって(シネマトゥデイ記事より)。

日本って結構ホラー好きな人多いと思うんですけど、でも「シアターN」が閉館したらもうかからないだろうなって作品もたくさんありますよね。ホラー映画界にはたくさんの才能があり、園子温監督も「女の裸がみたくてホラーやスプラッタを観ていて好きになった」と話していたり、クリエイターに影響を与えた点も大きいはず。

シネコンはキレイでテンションがあがるけど、でもやっぱりこういう地味だけど良作っていう映画もちゃんと観たいなーと思った次第。
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東京で働く28歳。ライターをしています。

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